OISR.ORG へようこそ 法政大学大原社会問題研究所

ウェッブ・スタイリストの生活と意見[23]
OISR-Watch2001年4月23日号

野村一夫


■新世紀OISR.ORG、一気にブレイクスルー

 前回OISR-WATCHを出したのが2月6日。あっという間に4月下旬になってしまいました。一部では「OISR-WATCH休刊説」も流れているとかいないとか。ご心配をおかけしました。

 じつは当研究所においてこの時期がもっとも繁忙期なんです。それは『日本労働年鑑』の編集作業がこの時期に集中的におこなわれるからです。とりわけ今年は五十嵐編集長がハーバード長期出張で、かわりに鈴木ウェッブ・マスターが編集長をつとめていますので、OISR-WATCHまでなかなか手が回らなかったというしだいです。この編集作業、端から見ていても猛烈なスケジュールなんです。

 では、ウェッブ・スタイリスト野村はどうしていたかというと、2000年度のたまりにたまっていた懸案事項を片づけるのに一生懸命で、更新情報をまとめるゆとりがなかったのでした。では、その補佐は・・・。なにせ慢性的な人手不足でして。
 というわけで、OISR.ORG関連の更新情報をまとめておきましょう。今回は、たくさんあります。

●サーバー差し替え

 3月14日にOISR.ORGのサーバーを差し替えました。それまで使用していたサーバーが昨年晩秋あたりからすごい音を立てるようになりまして、また、若干の不具合もあって、選手交代させました。といっても新品を買ったわけではなく、修理して再生させた古サーバーです。でも、調子よく動いています。このさい、労働サイト全文検索(まだ仮称です)を別のサーバー(これは初代サーバーで、いったん引退したのちに修理して復活させたもの。しばらく私が作業用に使っていました)に担当させることにしました。以後、OISR.ORGはサーバー2台態勢で運用しています。OISR.ORGとOISR.NETです。

●OISR.ORG全文検索をリメーク

 これはOISR.ORGのすべてのページと研究所関連サイトを対象に検索できる全文検索です。Namazuというフリーソフトで構築していますので、通称「小ナマズ」と呼んでいます。Namazuをヴァージョンアップし、「個別コンテンツ検索」を新設しました。つまり、OISR.ORG全体について検索をかけることができるとともに、特定のコンテンツについてだけ検索をかけることもできるようになりました。現在は限られたものしかありませんが、順次追加する予定です。ご希望のコンテンツがありましたらお知らせください。

●労働サイト全文検索を独立

 社会・労働関係リンク集に掲載されている日本の労働組合・労働関連団体・研究サイトの全文検索です。通称「大ナマズ」です。労働問題のネットワーク上での動向が一括把握できるようにしたものですが、更新作業にかなりの時間がとられるため、今回のサーバー差し替えのさいに独自サーバー仕立てにしました。更新作業中はかなりサーバーが酷使されるものですから、表示などに影響があったのです。「小ナマズ」とはコンテンツの性質が異なりますので、インターフェイスも別にしました。ただし、これについては正式名称がじつは決まっていません。また、裏での作業手順を自動化するために現在、仕様を見直しているところです。

●『大原社会問題研究所五十年史』【電子復刻版】

(http://oisr.org/50nenshi/)

大原デジタルライブラリーに当研究所が1970年に発行した『大原社会問題研究所五十年史』(非売品)全文を公開しました。当研究所の歴史を知るには不可欠の文献ですが、なにぶんにも市販されたものでないために稀覯書になっていました。当研究所の仕事の一つに、戦前の大原社研と周辺事情についての問い合わせに応えることがありまして、この本はそのさいの重要な参考書になっていたそうです。訂正すべき点もありますが、ここでは原本に忠実に電子復刻しました。リブロ電子工房が基礎作業を担当しました。

 なお、この企画では、オンデマンド出版システムを使って、レビュージャパン社から書籍としても復刻することになっています。現在、作業中です。そろそろ見本ができる時期です。これについては、次回、ご報告できるでしょう。

●『日本労働年鑑』22集-25集

(http://oisr.org/rn/)

 「戦後特集」として再出発を期した1949年から1953年の第25集までのの労働年鑑の本文を復刻しました。これはかなり前からリブロ電子工房でOCR作業していただいていたものです。3月に仕上げ作業をおこないまして、一応、完成しました。一冊が700ページから900ページぐらいある大冊を4巻まるまるテキストデータにしました。相当な分量があります。この時期は、終戦後の独特の雰囲気のなかで労働運動がおこなわれていた時代ですから、今日では考えもできないような出来事や事件がたんさんあったようです。いわゆる55年体制以前の労働について考察するさいの貴重な資料群です。

●戦時年鑑

(http://oisr.org/rn/)

 『日本労働年鑑』別巻として1960年代中頃に編集刊行されたものです。『太平洋戦争下の労働者状態』と『太平洋戦争下の労働運動』の2巻になっています。戦時中の労働問題についての数少ない研究として評価の高かったもので、通称「戦時年鑑」と呼ばれています。のちに2冊を合本したものがありまして、それを底本にして本文と図表を全文復刻しました。戦時中の労働運動についての原資料に基づいて編集された、精度の高い研究だそうです。

 以上、あわせて6冊の年鑑を復刻しました。数えたことはないですが、4000ページはあると思います。通読はまず不可能な分量ですね。ファイルをワンテーマごとに小分けしましたので、全文検索を使用されると効率的に調べることができるでしょう。

●戦前期原資料インデックス

(http://oisr.org/kensaku/genshiryo.html)

 大原所蔵の原資料(不定形資料)の検索カード情報をデータベース化して3月24日に公開しました。ポスター展と同様の手法ですね。これによって、どのような資料群が当研究所に所蔵されているのかが事前に調べられます。また、そうすることで当研究所に閲覧に来られたときに時間を有効に使っていただけると思います。このようなデータベースをOISR.ORGでは「インデックス」と呼んで、以後シリーズ化する予定です。

●戦前期原資料インデックス(リストアップ版)

(http://oisr.org/kensaku/genshiryobr.html)

 こちらは上記のインデックスをブラウズしながら検索できるインターフェイスです。こちらですと、まずどのようなものがあるのかが一目でわかります。ラジオボタンをチェックして検索するだけで、そのテーマに関するファイルやフォルダのリストが表示されます。これは4月6日に公開しました。

●『大原社会問題研究所雑誌』をPDFで全文公開

(http://oisr.org/oz/)

 こちらは4月20日公開したばかりの特大企画。当研究所の機関誌である『大原社会問題研究所雑誌』(月刊、定価1000円)の最新号(2001年4月号)からPDFで全文を公開するプロジェクトです。あわせて2000年度発行のバックナンバーの全文も公開しました。

 これは2月におこなわれた年に一度の研究員総会で二村名誉研究員が提案された企画でして、月刊誌をオンライン・ジャーナル化しようというものです。法政大学出版局から刊行されている有料印刷媒体の方はこれからも継続して刊行されますが、2001年度からは最新号をその刊行にあわせてOISR.ORGでも公開することになりました。

 PDFで小分けして公開しますので、ちょうど抜き刷りのようなものとお考えください。レイアウトもすべて印刷物と同じになっています。

 こうなると、有料印刷媒体が売れなくなるのではないかと懸念されるかもしれませんが、こちらの定期購読者にはいろいろ特典がつきますので、私たちとしてはそれほど心配していません。でも、ちょっとは心配なので、定期購読者特典を強化しました。ご都合のよい方をご利用ください。

 なお、作業手順と人手不足のため、雑誌発売日(毎月25日)から数日ないし3週間ぐらいまでの範囲でOISR.ORGでの公開がずれると思います。今回の4月号は次号発売の5日前という、滑り込みセーフでの公開となりました。新学期が始まってしまったので、なかなか手がつかなかったんです。

 大原雑誌については、月刊誌でもありますので、OISR.ORGの大きなコンテンツです。それに見合う扱いをしようということで、トップページに独立のコーナーを設けました。ご注目いただけましたら幸いです。


OISR-Watch Columns(Table of Contents)  

法政大学大原社会問題研究所(http://oisr.org)