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ウェッブ・スタイリストの生活と意見[18]
OISR-Watch2000年7月12日号

野村一夫


■オンライン書店の意外な可能性

 日本における本の流通は複雑です。素人にはわからない世界があります。よく引用されるわりにほとんど店頭に並ばない本もあれば、ビジネス書のように店頭にやたら並んでいるわりに立ち読みしている客を見かけないがらんとしているジャンルもあります。つまりすべての本が対等に扱われているわけではないのです。

 それを解決しようとするのがメガショップとオンライン書店です。大阪梅田のジュンク堂のようなメガショップにはやはり圧倒されます。京都にできた店もすごいと聞いています。図書館のようなコンセプトで店づくりがされているようですが、こういうところは頼りになりますね。仕事のない日に半日こういうところで時間をかけて本を買うというのが至福の時であります。

 他方、お手軽なのがオンライン書店です。メガショップは時間があるときは楽しいのですが、お目当てが見つけられないということがあります。学術系の本は重いですし、注文するのもめんどうです。また、必要なときに現金がないという問題もあります(ん?私け?)。  送料も気になりますが、電車賃や時間のことを考えるとたいしたものではないでしょう。まとめ買いすればいいだけです。これはとくに田舎にお住まいの方とか海外在留邦人の方には重宝なものでしょう。

 というわけで、私自身は日本の本については紀伊國屋ブックウェッブを利用してきました。つい先日も原稿執筆のためプロポリスや癒し関連書をしこたま購入したところです。いやはや、いったい何の原稿を書いているのやら。(^^;

 私たちにとって便利なのは、そのデータベースです。図書館のOPACはそれなりに便 利ですが、その場では内容がわかりません。オンライン書店のデータベースには帯の コピーや目次が掲載されています。これがありがたい。しかも、特定テーマについての本がすべてでてきますから、網羅的に購入するにはとても便利です。

  もともとアマゾンコムがそうでしたが、最近の日本のオンライン書店では書評と予約がポイントになっているようです。私もちょっとかかわっているBK1でもこのふたつを戦略的なポイントにしていました。書評と言っても紹介とかレビューという程度のものですが、そういうものを積極的にやっていこうということです。これはものすごい手間です。でも、そういうことをしないと結局「売れるものだけが売れる」ということになってしまうのです。今の学生さんを見ていると実感しますが、自分の眼で本を選ぶということができないし、その気もないという事実があります。しかし、地味な本や、営業の弱い無名出版社の本でもいい本はいっぱいあります。やはりここでもキーワードはナヴィゲートなんです。

 しかし、大学関係者はこういうものを見て生協に注文するのでしょうね。再販制度の手前もあってオンライン書店も値引きができないのです。しかし、再販制度の見直し論も高まっています。おそらくそうなったときがオンライン書店の勝負時だと思います。

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