OISR.ORG へようこそ 法政大学大原社会問題研究所

ウェッブ・スタイリストの生活と意見[10]
OISR-Watch1999年11月19日号

野村一夫


■オイサー・オルグ誕生秘話の秘話+α

 前回、ドメイン取得のお話を書きましたが、私の記憶ちがいといくつかのシーンの省略のために、もうひとりの重要な登場人物のことがすっかり抜け落ちておりました。執筆時間の関係で印象中心の中途半端な記述になってしまったこともありますので、今回は訂正とお詫びを書きます。

 もうひとりの登場人物は専任研究員の五十嵐先生です。ご用事で出たり入ったりしておられたように記憶していたために、五十嵐先生の姿が文章から消失してしまいましたが、前回のコラムを書いた後の確認では、あの時ドメインネームを変えるということにいち早く賛成したのは、二村先生と五十嵐先生で、早川所長は当初消極的だったとのことです。つまり2対1でネームを変えることになったのですが、私には3人の専任研究員の先生方による「つかの間の議決決定」が見えていなかったようです。さっと決定して、もうその次に移っていたということですね。「意思決定の早いところ」というのが私のこの日の研究所の印象だったのですが、それ以上だったということです。たまげました。

 最終的に "OISR.ORG" に決定したときには、五十嵐先生も同席されておられました。そしてすぐに五十嵐先生と登録作業に入ったというしだいです。"OISR.ORG" ドメインの登録者・管理者は五十嵐先生になります。

 いずれにしましても、初日で人物の同定が不十分な状態での私の印象に基づいて書いたために、正しく状況が再現されていなかったこと、五十嵐先生もその場におられて役割を果たされたことが表現できていないこと、基本的事実を正確に描写できていなかったことをお詫びします。特定の印象深かったシーンを(その瞬間がとても印象に残っていたので)ピックアップしてまとめたことによって不正確なエッセイになってしまいました。

 たかが九ヶ月前のことですが、すでに選択的記憶になっているというのは、日頃から私がぼうっとしているせいでしょうか。少なくとも「歴史の証人」は他のどなたかにお任せしないといけませんね。

■おまけ

 世の中、ミレニアムばやりですが、気がつけば来年はバッハ没後250周年。古楽で有名なテルデックでは、これを期に完璧な全集を出しました。

http://www.warnermusic.co.jp/bach/

 153枚で22万円、演奏者もアルノンクールやレオンハルト、コープマンと完璧です。私はバッハの教会カンタータの熱烈なファンですが、レコードやCDできわめて中途半端にもっているので、こういう徹底した企画はすばらしいと思います。やはりつまみ食い的な中途半端はいかんですねえ。輸入盤だと12万円ぐらいで手にはいるでしょうが、これまたいかんなことに私のような者にはとても手がでないのが残念ではあります。ま、そのうち輸入盤の中古(これが一番安くなる)がでまわったころに挑戦したいものです。

 そのかわり、今は別の企画に注目しています。ハルモニア・ムンディ・フランスによる "THE HARMONIA MUNDI BACH EDITION" がそれです。ハルモニア・ムンディ・フランスはきわめてアナログ指向の音づくりをするところで、私は大好きなんです。「パワーレコード」だと一枚なんと990円でした。このシリーズではヘレヴェヘによる声楽曲が中心に構成されています。

 この人のバッハはきわめて上品で、洗練されています。たとえばリヒターのガッツあるバッハと違って、この人のものは日常的に聴けるバッハです。それがこの値段というのは破格でしょう。これなら買えますね。すべてオリジナル楽器によるもので、選曲もまっとうです。徹底した全集にしないのであれば、せめてこのようなセンスある構成にしてほしいものです。そしてバッハの場合は声楽曲中心でなければね。

 ただ、声楽が苦手な人には、このシリーズの室内楽がいいかもしれませんね。どれも古楽器による演奏で、たとえば「無伴奏チェロ組曲」なんかはお股で直接支えて弾くチェロで演奏されています。倍音豊かなやわらかい音の世界が広がります。

 というわけで「ミレニアムはバッハで迎えよう!」これがウェッブ・スタイリストの提案であります。

 ということではありますが、"OISR.ORG" では世間の流れにも逆らわず、しっかり「ミレニアム特集」を行います。(^^)/ 題して――

「OISR.ORG20世紀ポスター展
――法政大学大原社会問題研究所所蔵資料2600点で見る
戦前期日本の〈モダンの力〉」

〈モダンの力〉は〈モダンのちから〉です。戦前のポスター資料をスライドショウ形式で一気に公開します。どれも貴重な歴史資料であり研究素材ではありますが、一般の方にも「現代美術」として鑑賞していただこうという企画です。テルデックのバッハ全集にならって、研究所所蔵の戦前ポスターの「すべて」を公開します。そののちにハルモニア・ムンディ・フランス的に洗練されたセレクト・ヴァージョンを制作する予定です。現在、鋭意オーサリング作業中で、少なくとも11月中には第一陣を公開できるでしょう。画像とHTMLファイルとで計5300以上を投入する超大型企画になります。詳細は次号で。乞うご期待!

(のむらかずお・兼任研究員・社会学)

   since 1999.11.23  

OISR-Watch Columns(Table of Contents)  次のページへ

法政大学大原社会問題研究所(http://oisr.org)