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ウェッブ・スタイリストの生活と意見[7]
OISR-Watch1999年8月26日号

野村一夫


■社会問題研究リソース始動

 この7月、OISR.ORGにふたつの新しいコーナーをリンクしました。ひとつは「レッスン」です(http://oisr.org/lesson/)。これは当研究所での議論や担当者の作業上のノウハウ共有をそのまま一般公開したものです。私たちがこれから何をどのような思想の下に行おうとしているかをここから読み取っていただければ幸いです。

 もうひとつのコーナーは「社会問題研究リソース」(コードネームはSP)です。こちらは10年先をにらんで始動します(http://oisr.org/sp/)。

 SPのテーマは「労働問題以外の社会問題」です。もともとこの構想は、現在「社会・労働関係リンク集」にある「社会問題・運動関連」のページと、「大原デジタルライブリー」にある「学術研究関連リンク集」とを継承展開する話から始まりました。この両ページは当研究所から「労働問題研究」というメインテーマを除いた残余テーマをあつかっています。しかし、残余というにはあまりに広範で、しかもすでに研究所にはかなりの蓄積があるのです。それをどのようにOISR.ORGのコンテンツとしていくかが思案のしどころでした。

 これを文献リストとリンク集(すなわちリソース)に編集して読者に提供しようというのがSPの構想です。企画書は「SPプラン」(http://oisr.org/sp/sp_plan.html)にありますので、ご参照ください。

 じつのところコンテンツはまだ分類表とこれだけです。というのも、スタッフ養成から始めざるを得ないからです。手始めに、私が立教大学で担当しているゼミ学生から参加者を募って、研修をおこないました。まだ自前のパソコンさえ持っていない学生もいて、なかなかに前途多難ではありますが、ひとまずはその可能性に賭けているところです。

 誤解している人が多いのですが、このような仕事はまったく機械的な作業ではなく、非常に高度な判断能力を要求されます。こなさなければならない文書量も膨大です。その意味では大学院生あたりが最適なのでしょう。じっさい、社会問題に関する特定テーマの基本文献とインターネット上のリソースの両方に通じた人というのは、日本ではほんとうにまだまだ少ないのです。印刷メディア上ではエキスパートでも、インターネット・リソースについては幼稚園児というケースが圧倒的多数。いずれにしてもインターネット・リソースについては改めてトレーニングが必要なのです。

 さきほど「10年先をにらんで」と書きました。具体的にいえば、1年先に一通り形式をそろえるようにし、3年先に一応の完成を果たす、そしてそのあとはメインテネンス・モードに入る、という流れを考えています。10年先にはインターネット界において「理論と実践」をつなぐ主導的役割を果たすものにしたい。・・・と構想は膨らむのですが、問題は山積です。

 私は99年度からのスタッフで、まったくのニューカマーですが、最近わかってきたのは、しかるべき「人」は研究所の内外にたくさんいらっしゃるということ。したがって最大の問題はその方たちの「時間」の確保なのです。

 「時は金なり」と申します。この「資本主義の精神」は、専任でないスタッフほどシビアになります。どこかで生活費を稼ぐための時間が必要だからです。研究所の既存の仕事だけでもかなりたくさんあり、スタッフの負担は厳しいものがあります。その点で、スタッフの時間をつくりだす算段、すなわち研究費などの調達がこれからの重要な課題ということになると思います。もちろん自発的な参加意識なくしてこのような創造的な仕事はできません。しかし、いつまでもボランティア依存というのでもプロのコンテンツはできないのです。

 このほかの問題については機会を改めて書くことにしましょう。さあ、明日からコードネーム「なまず作戦」の実行です。「なまず」とは何か。それで何か変わるのか。それは次号でお伝えします。ただし、作戦に成功したらの話ですが。

(のむらかずお・兼任研究員・社会学)

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