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社会・労働関係サイト探検(8)
OISR-Watch1999年9月26日号

二村一夫


【分野別サーチエンジン点検】

 このところ個人サイトの更新に追われて、あまりサイト探検の旅に出る時間がなかった。そこで、いつも使っているサーチエンジンについて論じてみたい。
 ついこの間までは、《社会・労働関係リンク集》作成のために新しい労働組合サイトなどを探すためにはYahooかgoo、あるいはInfoseekなどを使っていた。最近は、組合サイトの発見は新ウエッブマスターの鈴木さんにお任せで、私は《e-textリンク集》の採録対象を探すことが主になっている。そうしたこともあって、最近はこうした巨大サーチエンジンより、分野別の全文検索システムを使うことが多くなっている。大サーチエンジンについては、すでにさまざまなところで論じられているので、ここでは、最近とみに増えた分野別の全文検索システムを取り上げよう。
まず、このコラムに関係のある《分野別全文検索システム》を列挙しておこう。ただし、今回は日本語サイトに限定したい。

まずは我田引水で、
☆ OISR.ORG全文検索
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/cgi-bin/namazu.cgi
 まだ、実験段階だが、OISR.ORGおよび36の労働組合サイトが検索可能である。今後、「社会・労働関係リンク集」に採録されているサイトを中心に随時採録対象を増やしていく方針である。野村一夫氏担当。「OISR.ORG全文検索」の導入経過など、詳しくは、本号の野村一夫氏のコラム「オイサー・オルグは電子ナマズの夢を見るか」をご参照ください。
 なお、その後この全文検索システムは分割され、労働組合サイトなどの検索はつぎに移行した。
☆ 全労働サイト横断検索
http://133.25.160.78/scripts/namazu.cgi.cgi

以下の3サイトは、私が制作を担当している《学術研究関連リンク集》で紹介している分野別の全文検索システムである。

☆ 社会学系ウェブサイト全文検索サーチエンジン
http://jinbun1.hmt.toyama-u.ac.jp/socio/kensaku/query3.htm
 富山大学人文学部社会学コース佐藤裕氏作成。社会学系サイトのみを選択し、ロボットに定点観測をさせ、効率良く検索することをめざした社会学専門サーチエンジン。現在、新しいe-textを発見するのにいちばん役立っている。それというのも検索対象の選択が良いためである。検索対象のサイトは、富山大学社会学コースのリンクリストなどを元にして選んだという。採録基準は、論文、エッセイ、報告書、文献リストなどの情報を含むページに直接行きつけるように考えて選択されている。社会学系とその隣接領域の研究者個人のサイト、およびそれを含む研究機関のサイト、それに報告書や調査データを掲載している民間研究機関や官公庁のホームページなどである。


☆ Humanities-Search
http://alpha.fine.chiba-u.ac.jp:8080/~nagasaki/humanities-search/
 筑波大学哲学・思想研究科の永崎研宣氏作成の人文科学系ホームページの全文検索エンジン。人文科学系中心であるが、社会・労働関係のe-text発見にもずいぶん役に立っている。このサイトで、フリーソフトのNAMAZUの存在を知ったことでOISR.ORGの全文検索も可能になった。
検索対象のサイトは、つぎのリンク集を利用して選択されているという。
  1) 国内言語学関連研究機関WWWページリスト(東北大学文学部後藤斉氏)
  2) 社会学関連サイトへのリンク集(大阪大学大学院人間科学研究科社会学専攻)
  3) 歴史学関係リンク集(鵜飼政志氏)
  4) 哲学/倫理学/宗教学関係国内リンク集(永崎研宣氏)
  5) 日本のインターネット心理学情報(磯部聡氏→松井孝雄氏)
  6) 美学の部屋(関西学院大学加藤哲弘氏)
  7) OrientNet(清水光幸氏)
  8) 日本近現代文学に関連のあるWebのサイト (帝京大学福岡短期大学市川毅氏)
  9) ロシア関連・情報リソース (北海道大学スラブ研究センター)


☆ 労働情報ナビゲートシステム
http://navi.jil.go.jp/cgi-bin/gwiisole.dll/nvk01.MainClass.Action
 日本労働研究機構が1999年8月から発足させた労働関係サイトの検索エンジン。日本最初の労働専門のサーチエンジンの発足で、大いに期待したのだが、実際に使ってみて失望した。分野別のサーチエンジンの値打ちは、巨大サーチエンジンにくらべて、めざすサイトやファイルを容易に発見できるところにあるのだが、ここでの検索結果は「ゴミ」が多すぎる。原因は、収集している対象サイトの選択が機械的にすぎるためである。誰が決めたのかしらないが、インターネットを実際に使っていない人がやったとしか思えない。あるいは、官庁の関連機関としての立場上、網羅的なサイト選択をせざるをえないのかもしれないが。
 対象サイトは一覧表が出ているので分かるのだが、労働省、都道府県、特殊法人、認可・公益法人等、研究機関、労働組合、大学、大学院といった組織のサイトが網羅的、つまり選択的でなく集められている。そのため、労働関係の情報など発信していない組織が多数集められている。このため、実際に検索してみると、大学のスタッフ紹介や講義名、あるいはシラバスなどが多数出てくる結果になりがちなのである。
その一方で、労働関係のサイトとしては日本でもっとも充実している「労務安全情報センター」などが、上記のカテゴリーのどこにも含まれないので検索対象になっていない。ちなみに、わがOISR.ORGも対象外である。労働組合も連合体や協議会レベルまでで、単組が入っていない。
 さらに言えば、今インターネットで新しい情報を発信しているのは、こうした組織のサイトよりも個人のホームページが多いのだが、「労働情報ナビゲートシステム」の場合は、 たまたま大学のサイトに研究者個人のサイトが含まれている場合は検索されるが、サーバーが別だったりすると洩れてしまう。「社会学系ウェブサイト全文検索サーチエンジン」が、まず情報を発信している個人サイトから出発していることで検索効率を良くしているのと対照的であるといえよう。
 もうひとつ言えば、検索結果でURLが隠されている点も使いにくい。URLがすぐ見えるようになっていれば、慣れてくるとどんな組織なのかある程度見当がつくのだが、その手がかりがないので、実際にそのサイトに行ってみないと、役にたつ情報があるのかどうか分からないことが多い。期待していた労働関係専門のサーチエンジンだっただけに、いささかガッカリというのが正直な感想である。


以上のほかにもつぎのような関連する分野別サーチエンジンがある。

☆「福祉と人権」全文検索システム
http://www.humind.or.jp/Search/index.html
 これは、社会福祉法人 大阪府総合福祉協会(HUMIND=ヒューマインド)が作成している全文検索システムで、現在、8,681 のファイルがインデックス化されているが、その半ばは厚生省のもののようで、厚生省だけを対象に検索できるようになっている。
まだ対象サイトの数が限られている。ここもNAMAZUを使っている。


☆ 医療情報電子検索システム
http://www.pmet.or.jp/search/index.htm
 これは日本医師会など医療関係団体が中心になって設立された「医療研修推進財団」作成のものである。医療関係者向けのもので、対象サイトも医療関係のものだけのようである。


☆ 検索省
http://st.jr.chiba-u.ac.jp/mos/
 スクールテック=「コンピュータ/ネットワーク学校教育利用技術メイリングリスト」の関係者によって作成されている官庁の全文検索システム。対象官庁を選択することもできる。


☆学校検索
http://sagasu.jr.chiba-u.ac.jp/index.html
 学校専用検索自主研究グループ作成。検索省の関係者と重複しているようである。


以上


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