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社会・労働関係サイト探検(2)
OISR-Watch1999年5月27日号

二村一夫


 今回は、OISR.ORGの〈ライバル・サイト〉社会史国際研究所(IISG)のホームページ
http://www.iisg.nl/
を紹介したい。

〈ライバル・サイト〉と言ってみたものの、正直なところ彼我の力量には格段の差がある。とりわけ、国際的な評価では完全に水をあけられている。IISG(International Institute of Social History のオランダ語の頭文字)のサイトは、MagellanやExciteのFour Starをとり、"Must See"siteに格付けされている。このサイトにリンクを張っている機関は700を超え、しかもその多くは研究所が本拠を置くオランダではなく、世界中の大学や研究機関である。

 1935年に創立されたこの研究所は、もともとはドイツ社会民主党の文書記録をナチスの弾圧から守るためにオランダに疎開したことにはじまる、民間の文書館であった。しかし、この数十年間たえず発展を続け、今ではオランダ王立科学アカデミー傘下の研究機関として、専任のスタッフ50人、パートタイムを加えると120人を擁する大研究所である。マルクスの資本論草稿をはじめとする膨大なコレクションを所蔵し、一般に公開している。

 この研究所は、その名が示すように国際研究機関である。世界の研究者を対象とする学術研究サービスの提供を目標にしているところにある。

 この研究所はインターネット上の活動を重視する点でも先進的であった。ホームページの充実ぶりも世界の研究所のなかでも群を抜いている。オンライン検索はもちろん、オンライン展示も充実している。何より驚かされるのはVirtual Information Deskと称するインターネット・レファレンス・サービスである。
http://www.iisg.nl/desk/index.html
 だれでもここで、社会史に関する文献情報などについて質問すれば、e-mailなりFAXで回答が返ってくる仕組みである。

 さらに、この研究所のサイトには、労働史研究機関国際協会(IALHI)のホームページ
http://www.iisg.nl/~ialhi/

やヨーロッパの労働史研究者たちのネットワークであるLabNet
http://www.iisg.nl/labnet.html
が存在する。

 そのほか、前回紹介したThe WWW Virtual Library Labour and Business History
http://www.iisg.nl/~w3vl/vl-inst.html

もこの研究所が作成しているリンク集で、その収録数は1330に達する。また、
ここでは、世界で開かれる社会・労働史関係の研究会予告(今日現在で55の研
究会について知ることが出来る)や開催済みの研究会について知ることができ
る。

 このほか、女性史リンク集ViVa Women's History Links
http://www.iisg.nl/~womhist/vivalink.html
も内容の充実したリンク集である。

 どう見ても、〈ライバル・サイト〉というより、到達目標サイトである。OISR.ORGの方がいくらか先を歩んでいるかなと思えるのはデータベース関係で、これは文句なしに我が方が充実しており、使いやすい。もっとも、これも日本語での話で、IISGは外国語である英語を駆使してサイトを作り上げている。

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