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「レイバーネット」について
OISR-Watch2001年2月6日号

鈴木玲


 レイバーネット(http://www.labournet.org/)は、1995年にピケットラインを越えることを拒否したため解雇された、500人のリバプール港湾労働者支援のために開設された。この争議で、WEBサイトが世界中の港湾労働者の連帯促進に重要な役割を果たした。この教訓に基づいて、レイバーネットは他の業種、国の労働者にも支援を広げている。レイバーネットは、資本主義のグローバリゼーションの時代、労働者の権利・労働条件の維持・向上は一国内で行うことは困難になっており、コンピュータ技術を通じた労働者の国際連帯が必要であると主張する。「国際サイト」の他に、アメリカ、カナダ、イギリス、韓国、ドイツ、ラテンアメリカ諸国、オーストラリアなど国別にもレーバーネットが設置され、国際サイトとは独立して運営されている。レイバーネット日本(http://www.labornetjp.org/)も今年2月1日に正式運用を開始した。

 国際サイト(英語)は、各国のレイバーネットや労働関係サイトへのリンクのほか、各国で起きている労働争議の情報と国際連帯・抗議行動の呼びかけが掲載されている。例えば、韓国の浦項製鉄(POSCO)が、同社の組合弾圧に抗議するパロディサイトの閉鎖を求めて訴えを起こし、ソウル地裁が閉鎖の仮処分を出したことが報告されている。そして、抗議サイトの強制的な閉鎖に備えて、各国の労働サイトに同サイトのミラーサイトを設置するキャンペーンを進めている。国際サイトは、エルサルバドル、イラン、メキシコ、トルコ、南アフリカなど、独自のレイバーネットを持たない国々の労働運動・争議に関する情報の発信に力を入れているようである(但し、各国情報はDead Linkが多い)。

 レイバーネット日本は、日本に関する労働関連情報だけでなく、韓国を始めとする世界各国の情報を日本語で提供する。特に、地理的近さと労働運動の活発さを反映して、韓国の労働情報が特に充実している。これまで、韓国関係の最新の労働情報を日本語で読めるサイトが(私が知っている限り)なかったので、レイバーネット日本が提供する情報は貴重である。自動車産業や金融業における活発な労働運動の情報に接すると、隣の国なのに日本とこうも違うのかと考えさせられてしまう。

 同サイトは、日本国内のデモ、集会、セミナー、研究会などの情報も提供している。これらの情報は、「イベントカレンダー」(http://www.labornetjp.org/EventItem)にコンパクトにまとめられている。WEBサイトを見にきた人が、直接情報を書きこむこともできる。その他、分野別に整理された解説つきリンク集、「談話室」(掲示板)などもある。

 レイバーネット日本は、このように多くの情報を提供する充実したサイトになっている。今後、このサイトが情報提供サイトに留まるのではなく、組織・未組織労働者への発信を通じて、低調な日本の労働運動を少しでも活性化する役割を果たすことを望みたい。

 レイバーネットとレイバーネット日本を紹介したのは、私が「レイバーネット日本」設立記念集会に、パネルリストの1人として参加するため、レイバーネットについて前もって予習をしておこうと考えたからである。設立記念集会は、2月10日(土)13:30〜16:30に法政大学92年館301教室(JRまたは地下鉄「市ケ谷」駅、徒歩5分)で行われ、パネルディスカッションの他に、韓国労働ネットワーク協議会事務局長・李龍根氏の講演がある。詳しい情報は、こちら(http://www.labornetjp.org/aboutus/foundingmeeting)を参照されたい。

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