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社会・労働関係リンク集の「注目サイト」:電機連合
OISR-Watch2000年8月25日号

鈴木玲


今回は、社会・労働関係リンク集、労働組合全国組織−製造業に掲載されてる電機連合の紹介と批評をします。電機連合は、電機・電子・情報産業の労働者を組織する組合で、加盟組合数225、組合員数は約74万人、連合では3番目に大きい加盟単産です。

 電機連合サイトには、他のサイトで見られるような「スタンダード」なメニュー(運動方針、組織の歴史、加盟組合紹介、労働相談、春闘回答情報など)と、他のサイトではあまり見られないユニークなメニューがあります。ユニークなものは、組合員個人とその家族の立場から組合活動を紹介する「でんき朗君の1日」、環境問題のコーナー「地球がピンチ−環境問題を問う」、組合運動について討論の場を提供する「フリートーク」のコーナーなどです。

 「でんき朗君の1日」は漫画形式の組合紹介です。「会社生活」、「社会生活」、「家庭生活」の場面で、組合員や家族が抱えるさまざまな問題や悩みが書かれているところをクリックすると、電機連合の活動やサービスの紹介が出てくる仕組みになっています。このコーナーは、組合の活動やサービスを、わかりやすく、組合員個人に身近なものとして紹介するするユニークな企画ですが、いくつこのことに気づきました。1つは、ここで想定されている組合員は男性であり、女性組合員の悩みについて触れていないことです。もう1つの点は、「社会生活」の場面で触れられている問題は、ほどんど政治問題なので、「社会生活」とするのは少しミスリーディングではないかと感じたことです。

 「地球が大ピンチ−環境問題を問う」では、環境問題についての電機連合の方針や、「容器リサイクル法」や「家電リサイクル法」など最近成立した環境保護関連の法律、省エネアイデアなどの紹介をしています。環境問題を大きく扱う単産レベルのサイトは、電機連合のほか自動車総連のサイトがありますが、その他の単産サイトでは見られないようです。しかし、(私の理解不足かもしれませんが)このコーナーのテーマまたは基本コンセプトがすぐには見えてきません。「電機連合戦略室 - PLAN & ACTION -」を読むと何となくわかってきますが、これは長くて抽象的な文書です。このコーナーのトップで、一目で電機連合の環境問題の立場がわかるように工夫する必要があるのではないでしょうか。

 「フリートーク」は、電機連合の政策に対する意見と、それに対する電機連合のリスポンスが掲載されています。中には批判的な意見もあります。このような討論の場を提供するコーナーを持っているのは、ナショナルセンターや単産サイトの中ではおそらく電機連合が唯一であると思います。その意味で、貴重な試みだと思います。

 その他注目すべきなのは、電機総研のコーナーです。ここでは、毎週「情報ホットライン」を発行して経済・雇用情勢を提供しています。バックナンバーも1999年の8月分から掲載されています。「労働問題おたすけ帖」も注目コーナーです。「おたすけQ&A」は、「電機連合中小ハンドブック」からの抜粋が掲載され、組合役員に対して実務的なアドヴァイスを提供しています。

 また、電機連合は、多くの組合が反対する中で裁量労働制を認めたり、「受動型・抵抗型」から「提案型・創造型」の労働運動を提案するなど、(その評価はともかく)ユニークな政策打ち出しています。このような電機連合のスタンスは、「見解・談話」のなかの「第48回定期大会 委員長挨拶全文」(2000年7月開催)や、「企画業務型裁量労働制施行に際して、電機連合の見解」などに反映されています。

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