OISR.ORG へようこそ 法政大学大原社会問題研究所
 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

           ★ O I S R - W A T C H ★

◆◆◆法政大学大原社会問題研究所公式サイト"OISR.ORG" Newsletter◆◆◆

No.22 2000年10月19日発行

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

★OISR-Watchは法政大学大原社会問題研究所の公式サイト "OISR.ORG"
   http://oisr.org
の最新情報をお伝えするニュースレターです。購読は無料です。
月に1回か2回程度、配信します。ご希望の方は
   webmaster@oisr.org
までメールでお申し込みください。

=========================== 目 次 =================================

【新着一覧(2000年9月19日〜10月18日)

◆研究所情報
◆大原デジタルライブラリー(電子図書館・資料館)
◆社会労働関係リンク集
◆スタッフ個人サイト
◆研究所刊行物
◆英語版
◆OISR-WATCH

【OISRコラム】

◆「アメリカ便り番外編(その1)−ケンブリッジとボストン」(五十嵐 仁)
◆ウェッブ・スタイリストの生活と意見[20]「労働資料協の謎、労研饅頭の謎」(野村
一夫)

=======================================================================
***************
【2000年9月19日〜10月18日】
    新 着 一 覧
***************

        △▼△▼△ 新着情報 △▼△▼△

************************************************************************
【 研究所からのお知らせ 】
http://oisr.org/notice/index.html

・大原社会問題研究所所蔵史料展示案内(00.10.12掲載)

・月例研究会のご案内(00.10.14掲載)

・新着図書目録(2000.9受け入れ分)(00.9.27掲載)

・社会・労働関係文献月録(2000.7受け入れ分)(00.9.27掲載)

************************************************************************
【 大原デジタルライブラリー(電子図書館・資料館) 】
http://oisr.org/dglb/index.html

★社会労働関係文献データベース★
http://oisr.org/kensaku/ronbun.html
http://133.25.160.82/kensaku/ronbun-ac.html
http://oisr.org/kensaku/washo.html
http://oisr.org /kensaku/yosho.html

○データは、毎月更新しています。(最新: 2000.10.6)

---------------------------------------------------------------------------
★ 研究論文 E-TEXTリンク集 ★
( WWW上に存在する社会・労働関係文献のE-textへのリンク集、およびE-textリンク集
へのリ
ンク。)

●労働編
http://oisr.org/sp/etextlinks-l.html
●社会編
http://oisr.org/sp/etextlinks-s.html
●ジェンダー編
http://oisr.org/sp/etextlinks-g.html


・ e-textリンク集(社会編)に坂田周一氏の論文2本を追加。(00.10.16)

「社会福祉の制度運営と財政」
「社会福祉の制度体系」

・ e-textリンク集(社会編)に橋本健二氏のつぎの論文を追加。(00.10.9)

「高等教育の大衆化時代における学力問題」
「教育改革の基礎としての〈近代教育システム〉批判」
「高校入学者選抜における平等化と個性化−−教育機会と都市コミュニティ形成の視点か
ら 」
「文化としての資本主義・資本主義の文化」
「現代資本主義国家の危機と公教育制度」

・ e-textリンク集社会編へ、名川 勝氏のつぎの文献を追加。(00.10.8)

「家族援助サービスの新しい形態−−日本におけるrespite care service」
「レスパイトサービスから家族支援・生活支援へ−−アメリカ合衆国の実情を踏まえて」

「アメリカ合衆国のレスパイトガイドライン−−障害のある子ども,慢性疾患・末期疾患
の子ども,及び虐待やネグレクトのおそれのある子どもたちの家族のためのレスパイトサ
ービス」(ARCH National Resource Center for Crisis Nurseries and Respite Care
Servicesによる"National Respite Guidelines - Respite Service for Families of
Children with Disabilities, Chronic and Terminal Illnesses, and Children At Risk
of Abuse or Neglect " (1994) の全訳)
「日本における障害児者の家族支援サービスに求められる基本的機能」(共著)
「障害児者に対する家族支援サービスの提供形態−−アメリカ合衆国の voucher system
を中心に 」

・ e-textリンク集【社会編】に高山 憲之氏の以下の論文を追加。 (00.10.2)

「年金改正と日本版401k」
「女性と年金―― 一身専属規定の見直しや遺族年金をめぐる懸案事項の処理を急げ」
「年金受給年齢引き上げは妥当か」
「公的年金をめぐる争点」
書評/八田・小口『年金改革論』
「年金目的消費税を提案する」
「年金財政の将来予測」
「公的年金、保険料下げを」
「年金不信をどう解消するか」
「年金改革:欧米における最近の動向と日本の課題」
「国民皆年金は崩壊寸前だ」
「性急な制度変更論の落とし穴/所得比例年金民営化案に対する疑問」
「年金・退職金税制は統合を」
「日本版401kと税制」
「日本版401kの可能性」
「4%掛金建て私的年金の導入効果」
「厚生年金基金:国の代行、早期廃止決断を」
「企業年金改革、労使が主役」
「男性の働き方を変えよう」
出産・子育てが評価される社会システム
「少子化が我が国の経済・社会に及ぼす影響」

・ e-textリンク集【社会編】につぎの文献を追加 (00.10.2)

大角 玉樹 「ネットワーク社会への組織転換−−ポスト・マルチメディア時代の個人と
組織 」

・ e-textリンク集【ジェンダー編】につぎの文献を追加

NTTデータ(株)/システム科学研究所 「女性の就業と在宅ワークに関する調査」
広島大学医学部医学科 「働く女性とくに医療従事者における育児と労働環境−−アンケ
ート調査から見た現状と課題 」

・e-textリンク集【労働編】につぎの文献を追加 (00.10.2)

伊藤 庄平 「働き方の変容と法改正−−改正労働基準法のポイント」
今福 愛志 「会計基準の変更と企業年金−−退職給付会計基準の設定と従業員給付の将
来」
桑原 靖夫 「グローバル化時代の産業立地と雇用創出−−先進モデルに学ぶ雇用・人材
開発・技術蓄積 」
澤田 陽太郎「会社分割と労働者保護−−商法改正に伴う労働契約承継法を中心として」

鈴木 玲 「労働組合文化の形成と衰退−−八幡製鉄労組の例 」
田尾 雅夫 「会社人間はどこへいく−−日本的経営の変化と揺らぐ従業員の帰属意識 」

戸苅 利和 「人材派遣の自由化と労働者保護−−改正労働者派遣法のポイント 」
西久保 浩二 「変わる日本型福利厚生−−諸課題と将来展望 」
花見 忠 「規制緩和と労働法制−−労働基準法改正を契機に新しい労働者像を求めて 」

樋口 美雄 「労働市場の変容と雇用管理−−プロ野球から考える企業と労働者の関係」
広島大学医学部医学科「働く女性とくに医療従事者における育児と労働環境−−アンケー
ト調査から見た現状と課題」
堀内 光子 「深刻化するアジア経済危機の中で−−ILOの取り組みと課題 」
脇田 成 「協調の失敗」と雇用慣行−−近年の失業のモデルを巡って 」
鷲尾 悦也 「政治に何を求めるか−−労組の政策・制度への取り組み 」

・ e-textリンク集・社会編に以下の論文を追加 (00.9.28)

石飛和彦 「問題設定装置としての〈帰国子女〉カテゴリー」
中澤秀雄「日本都市政治における「レジーム」分析のために−地域権力構造(CPS)研究
からの示唆−」
Toshihiro Tsuganezawa ほか "Post disaster studies of individual preparedness
and life recovery: Two perspectives"

・鍋山 祥子氏の以下の論文をe-textリンク集・ジェンダー編および社会編に追加 (00.9.
28)

「『共依存 co-dependency』の社会学的考察」
「共依存概念の混乱と問題性−−フェミニズム批判を踏まえて」
「仮面の逆転−−存在証明の落とし穴」
「日本型福祉と新しい『家族福祉』の視点−−フェミニズム批判を踏まえて」
「家族介護神話:高齢者介護と家族機能」
「高齢者の在宅福祉サービスの現状:岩手県釜石市の事例から」

************************************************************************
【 社会労働関係リンク集 】
http://oisr.org/links/toc03.html

(リンク集全般)

・労働運動関連団体・個人-過労死・過労自殺関連を新設。(00.9.25)

-----------------------------------------------------------------------
(追加したサイトとその解説)

・神戸市教職員組合 (00.10.11追加)
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sumire/2407/
「委員長の挨拶」、女性部、青年部のコーナーなど。主に組合員向けだが、「イベント情
報」は保護者も対象としている。

・国際労働経済研究(桑原靖夫ゼミ) (00.10.11追加)
http://www2.dokkyo.ac.jp/%7Ecsemi004/
シラバス、エッセイなど。

・東京新聞労働組合 (00.10.10追加)
http://www.tokyoroso.org/
中日新聞の少数派組合。新聞労連加盟。機関紙『推進』、職場ニュース『編集ニュース』
の記事を掲載。

・全労働広島支部 (00.10.10追加)
http://www2.ann.ne.jp/~zenrodo/
広島県内の公共職業安定所、労働基準監督署、広島労働局などで働く国家公務員が組織対
象。「全労働の主張」、労働問題のQ&A、四コマ漫画「とんちんかん」のコーナーなど


・兵庫高等学校教職員組合 神戸県立支部 (00.10.10追加)
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hinoki/1394/
日教組加盟。「支部長のあいさつ」、「支部ニュース」、「教育関連情報」、学習会の報
告など。

・熊本県高等学校教職員組合 (00.10.10追加)
http://www.infobears.ne.jp/ktu/index.htm
日教組加盟。組合活動関連ニュース、事務職員部のページ、教育実践など。

・全農協労連 (00.10.7追加)
http://www.nokyororen.ne.jp/
1956年発足、現在組合員6万人。組織紹介、運動方針・見解、労働相談、大会の報告など


・川崎重工労働組合 (00.10.7追加)
http://www.khiunion.or.jp/
労働組合にに関する考え方、組合規約、方針、組織紹介など。

・地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL) (00.10.5追加)
http://www.jca.ax.apc.org/~banmines/
「このプロジェクトの目的は、対人地雷の廃絶を実現させるため、日本政府がオタワ・プ
ロセスに完全同意するよう働きかけ、締結された条約を遵守させることです」(HPから)
。19種類の地雷を50枚ほどの写真で紹介しているページはユニークだが、やたら重いのが
難点。

・人道目的の地雷除去支援の会 (00.10.5追加)
http://www.geosearch.co.jp/jahds/
通称JAHDS(ジャッズ)。98年3月発足。

・天使になりたい(00.10.5追加)
http://www.best.com./~fukui/jhome/mama/angel.htm
福井雅世さんが『地雷ではなく花をください』という一冊の書物に啓発されて、地雷廃絶
の「大河」の「一粒の雨粒」になりたいとの思いで、立ち上げたサイト。地雷に関する素
朴な疑問から始まって、わかりやすい説明を心がけているところなど、個人のHPならで
はの味がある。

・町田市公立学校教職員組合 (00.9.29追加)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~machida/
日教組加盟。「町田ニュース」(WEB版)、「2000年度活動方針」、「三宅島レポート」
など。

・統一の旗(00.9.29追加)
http://www.unityflag.co.jp/
『週刊 統一の旗』の記事を読むことができる。

・大阪過労死問題連絡会(00.9.25追加)
http://homepage2.nifty.com/karousirenrakukai/
弁護士、医師、研究者、過労死家族、労働組合、労働団体等の「ゆるやかなネットワーク」
。「過労死をなくしていくことを目的」に1981年に結成された。会の取り組みの歴史、過
労死に関する資料、判例、書籍紹介など。また、相談の案内もある。

・リクルート過労死裁判を考える会(仮称)(00.9.25追加)
http://www.jca.apc.org/recruit-karoshi/
29歳でくも膜下出血で亡くなった石井偉氏の過労死をめぐり、遺族が(株)リクルートを
相手取り起こした損害賠償請求裁判の記録。

・東京都公立学校教職員組合(00.9.25追加)
http://www4.ocn.ne.jp/~ttutokyo/
東京都教育委員会の出した「心の東京革命行動プラン」の批判、「三宅島からの報告」、
「教育基本法の見直しに反対しましょう!」、人事異動問題のページ、人事考課問題のペ
ージなど。

---------------------------------------------------------------------------
(URL・名称を変更したサイト、コメントを追加・更新したサイト)

・全逓信労働組合大阪西南支部天王寺分会(00.10.15名称・コメント変更)

・北大阪合同労働組合 (00.10.14URL変更)

・酒田飽海地域労連 (00.10.14URL変更)

・損保労連(損害保険労働組合連合会) (00.10.14URL変更)

・全農林筑波地方本部 (00.10.10URL変更)

・国際自由労連(ICFTU) (00.10.10URL変更)

・連合総合生活開発研究所(連合総研)(00.10.2URL変更)

・吹田教職員組合 (00.9.29URL変更)

・神奈川労連 (00.9.29URL・コメント変更)

・全国大学高専教職員組合(全大教) (00.9.29URL変更)

************************************************************************
【 スタッフ個人サイト 】

★ スタッフ個人サイトの近況 ★
http://oisr.org/links/toc04.html

○個人サイトの最新情報についてはトップページ、および各サイトの更新情報をご参照く
ださい○
http://oisr.org

●五十嵐仁のアメリカ便り
http://oisr.org/iga/home.htm
(下記のコラム「アメリカ便り番外編」をご覧下さい)

●二村一夫著作集
http://oisr.org/nk/index.html

★ 9月26日に刊行開始満3周年を迎え、これを機に構成を若干変更しました。またトップ
レベルのデザインを秋冬バージョンに変えました。

★ これまで仮綴じ本として出していた『労働史研究の諸問題』は所収論文のすべてを本
来収録予定の巻にいれることが出来たので刊行を中止し、代わって別巻2として『さまざ
まな出会い』を加え、人や本などなどについてのエッセイ、小文を収録することにしまし
た。

★好評連載中の『高野房太郎とその時代』
は、この1ヵ月間につぎの2本を掲載しました。
第20回「研磨会と振商会、講学会」(2000.10.10掲載)
第21回「姉の結婚」(2000.10.14掲載)

★《編集雑記 2》に「この1年−−刊行開始3周年にあたって」を掲載(2000.9.26)

★第7巻『労働統計の再吟味』に「労働組合組織率の再検討−−国際比較を可能にするた
めに」(1)を掲載。

●ソキウス(野村一夫)
http://socius.org

■Socius Version 7.5 「リブラリア・プロジェクト」開始ヴァージョン かねてより準
備しておりました「リブラリア・プロジェクト」(http://www.libraria.org)を開始し
ました。「リブラリア・プロジェクト」はソキウスとリブロ電子工房との共同企画です。
目的は、著者自身による電子復刻です。私が窓口になって、電子復刻活動をサポートしま
す。

************************************************************************
【 研究所刊行物 】
http://oisr.org/pub/toc05.html

・2000年11月号予告を掲載。(00.9.27)

************************************************************************
【 英語版 】
http://oisr.org/english/toc06.html

*************************************************************************
【OISR-WATCH】
OISR-WATCHの 最新号・バックナンバーと、掲載コラムを著者別に見ることができます。
http://oisr.org/watch/index.html

・OISR-WATCHのページに21号とコラムを掲載。(00.10.10)

**********************************************************************

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△▽△▽△▽△▽△▽△▽ O I S R コ ラ ム △▽△▽△▽△▽△▽△▽
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コラムのバックナンバーは、
http://oisr.org/watch/index.html
で見ることができます。
**************************************
◆訂正とお詫び◆

OISR-WATCH NO.22のコラム「社会・労働関係リンク集の『注目サイト』:全労協」(鈴木
玲)で、の第2パラグラフの書き出しのところで、「全労協」と書くところを「全労連」
と組織名を間違って書いてしまいました。この場を借りて、お詫び申し上げます。

誤「ご存知の通り、全労連は連合・全労連どちらにも『行かない、行けない』組合によっ
て、1989年に結成された『連絡協議会』組織です。」

正「ご存知の通り、全労協は連合・全労連どちらにも『行かない、行けない』組合によっ
て、1989年に結成された『連絡協議会』組織です。」

**************************************

アメリカ便り番外編(その1)−ケンブリッジとボストン

                              五十嵐 仁

 はじめに

 このたび、本メールマガジンの鈴木編集長より、「アメリカ便り番外編」として、何か
書くようにとの要請をいただきました。鈴木編集長には、私の不在中、何かとご迷惑をお
かけしておりますので、お断りするわけにはいきません。それでは「浮き世の義理」を欠
くことになります。ということで、「アメリカ便り番外編」を、このメールマガジンで何
回か連載させていただくことにしました。
 ところで「アメリカ便り番外編」というのは、私のホームページhttp://oisr.org/iga/
home.htmで、「アメリカ便り」の本編を連載しているからです。こちらはその番外編とい
うことになりますので、本編で書いたことと部分的に重なるところも出てくるかもしれま
せんが、ご容赦願いたいと思います。また、「番外編」とともに「本編」の方にも目を通
していただければ幸いです。

住宅事情と研究環境

 私がVisiting Scholar としてお世話になっているのは、Harvard大学のライシャワー
日本研究所です。このハーバード大学は、一般には「ボストンにある」と考えられていま
すが、実はその隣のCambridge市にあります。研究員の多くも、ボストンではなく大学周
辺のケンブリッジや、その郊外のBelmont市、Arlington市などから通っておられるようで
す。
 かく言う私も、住んでいるのはBrooklineという、ケンブリッジ市の南、ボストン市の
西に接している市です。ここは、ジョン・F・ケネディの生誕地として知られており、子
供時代を過ごした家がそのまま保存されているそうですが、残念ながらまだ訪ねておりま
せん。
 研究員の多くがボストンの郊外に住んでいるのは、大学そのものが郊外にあることに加
えて、ボストン市内の地価が高いこと、空き物件が少ないこともあります。アメリカは好
景気を反映してどこも労働力不足です。少しはやっているお店などに行きますと、入り口
のドアに「Hiring」の看板が掛かっています。「店員募集中」というわけです。
 したがって、仕事を求めて郊外から人々が移り住み、都心部分の物件が少なくなり、地
価が上がります。しかも、ハーバードやその近くにあるマサチューセッツ工科大学(MI
T)の周辺には、IT関連のベンチャー企業の事務所などもアパートの一室を借りるなど
の形で進出してきています。
 このような事情のため、ボストンやケンブリッジ近郊の住宅事情は大変逼迫しています
。そのあおりを受けて、アパート代やホテル代も高くなってしまいました。ただし、日本
のバブル期にあった、投資型の不動産売買はあるとは言えまだそれほど一般的ではないよ
うです。
 ちなみに、こちらに来て実感したことですが、ハーバード大学とMITは大変近くにあ
ります。地下鉄の同じ線(レッドライン)で2駅という近さです。ボストン大学やタフト
大学、ボストン・カレッジ、ノースイースタン大学など他の大学もそれほど遠くありませ
ん。ボストン周辺には、なんと60近くもの大学(Colleges,Universities)があるそうで
す。
 この大学の密集度の高さは、学問の相互交流や共同研究などを進める上で大きなプラス
要因になっているように思われます。たとえば、日本研究では、ライシャワー研究所など
が主催するセミナーや研究会に、他の大学の研究者や大学院生もちょくちょく顔を出して
います。研究所のあるクーリッジホールでは、日本関係だけでも、毎週、1〜2回のセミ
ナーが開かれていますが、このように頻繁に研究会が組織できるのも、またそこへの出席
者がそれなりにいるというのも、関心を共有する研究者の層が、各大学を横断してそれな
りに存在しているという事情があるように思われます。
 セミナーだけでなく、授業や資料など他の面でも、このような密集度の高さは有利な条
件を提供しています。私の知っている研究員の一人は、MITのジョン・ダワー先生の授
業を聴講していますし、ハーバードにない資料でも他の大学にある場合があります。また、
夫がMIT、妻がハーバード大学と、それぞれ異なった大学に同時に留学し、お子さん連
れで当地にやってきているという例もあります。これなども、近くに沢山の大学があると
いう点から生じた思わざる効果ではないでしょうか。

アメリカにおけるボストンの位置

 このように、ハーバード大学がボストンにないにもかかわらずボストンにあるかのよう
に思われているのは、ボストンという市が意外に小さい、ケンブリッジという市の名前が
イギリスの方が良く知られていて、アメリカの方の知名度が低いなどの理由が考えられま
す。しかし、それ以上に、アメリカにおけるボストンという町の存在感の圧倒的な大きさ、
知名度の高さという点に注目せざるを得ません。
 というのは、アメリカ独立の歴史はこの町から始まったといっても言いすぎではないか
らです。独立革命の発火点となった「ボストン虐殺事件」や「ボストン茶会事件」は、ま
さにこの町で勃発しました。ベンジャミン・フランクリンなど「独立革命の志士」たちの
多くも、この町から出ています。日本で言えば、萩、鹿児島、高知を一緒にしたような所
と言ったらよいでしょうか。
 すでに「本編」でも書きましたように、ボストンの中心には「フリーダム・トレイル」
という独立革命の旧跡を結ぶ赤い線が引かれています。これは「ボストン・コモン」とい
う公園から始まり、線をたどって歩くことができます。ということは、このような独立革
命の主な事件の発生や個人の住居などは、歩ける距離の範囲内にあったということになり
ます。小さな範囲の少数によって始まった運動が、やがては独立革命という偉業に結びつ
いていったという点でも、「松下村塾」から始まった小さな動きがやがては明治維新とい
う偉業に結びついていった日本との共通性があると言えるのではないでしょうか。
 また、ボストンは、その歴史の古さという点で、アメリカにおける古都、日本で言えば
京都のような町だということができるでしょう。したがって、観光客が多く、町並みも古
き良き時代を彷彿とさせるような、イギリス・ビクトリア朝時代のような趣が残っていま
す。ピューリタンの町であったという伝統もあるのでしょうか、町中の所々に古い教会も
多く残っており、これが町の景観に独特の雰囲気を作り出しています。町のそこかしこに
古いお寺が残っている京都と、この点でも似ていると言えるでしょう。
 しかし、このような景観や環境を保護し維持しようという強い意志の点で、ボストンは
京都に大きく勝っているように思われます。町中の新しい建物も周囲との調和が図られ、
それほどけばけばしいものはありません。近くに寄って看板を見なければ、何のお店だか
分からないようなお店もたくさんあります。最近の京都の観光スポットに見られるような
顔をしかめたくなるような不釣り合いな建物も、雑然とした印象も、ここにはありません

 京都と同様に、ボストンも交通問題が悩みの種になっていますが、その解決の仕方も京
都とは異なっています。同じ高速道路を通すといっても、京都の場合には町中に通す計画
のようですが、ボストンではそれを全て地下に埋め込む計画です。
 今、ボストンの町を歩きますと、至る所で青に黄色の線が入った塀で囲まれた工事現場
にぶつかります。これは高速道路を地下に埋めるための工事現場で、2004年まで続きます
(2007年までかかるという説もあります)。10車線ほどの高速道路を、14キロにわたって
全て地下に埋めてしまおうというその構想の壮大さに感心してしまいます。
 完成の暁には、この地下高速道路の地上は全て緑地帯にして公園を作る計画だそうです
。この辺にも、都市の景観を守るだけでなく、さらにそれをより良いものにしていこうと
いうボストン市民の強い意志が感じられると思いますが、皆さんはいかがでしょうか。
(続く)

(いがらし じん  大原社会問題研究所研究員)
**************************************

ウェッブ・スタイリストの生活と意見[20]
労働資料協の謎、労研饅頭の謎
                                        
 野村一夫

 前回はちょうど静岡大学での集中講義が重なってしまって、この連載を落としてしまい
ました。申し訳ありませんでした。けっして燃え尽きたわけではありませんので、OISR-
WATCHともども本コラムをよろしくご贔屓くださいまし。
 さて、10月11日東京都立労働研究所(東京都労働資料センター)で開催されました労働
資料協の総会に参加してきました。「労働資料とインターネット」というテーマで講演さ
せていただきましたが、わきあいあいの雰囲気の中、いろいろ意見交換ができましたし、
これまで私にとって謎だった労働資料協の「実体」もわかって有益な一日でした。
 労働資料協というのは、正式には「社会・労働関係資料センター連絡協議会」といいま
す。どうも大原社研がらみのネーミングは長いものが多いのですが(そもそも「法政大学
大原社会問題研究所」という名前自体が長いですね)、ここも負けずに長いので、一息で
正しく言えた試しがありません。この律儀さは労働研究の伝統なのでしょうか。見習いた
いものです。
 いきなり脱線してしまいましたが、略称「労働資料協」は、労働資料や社会運動関係資
料をあつかう機関のネットワークなのです。くわしくはホームページがOISR.ORGのサーバ
にあります。
  http://oisr.org/rodo/top.html
 参加機関のリストはこちらです。
  http://oisr.org/rodo/gaiyo.html

 たとえば、ある資料が大原社研に三部あったとします。場所の関係から保存は一部で十
分。しかし、あとの二部を捨てるとすれば、それはもったいない話です。それを所有して
いない他の機関に送れば、貴重な資料は生き残ります。つまり、来るべき(?)八王子大
地震で大原社研が崩れ落ちたとしても、その貴重な資料は大阪や松山の加盟機関で後世に
伝えられるというわけです。
 そもそも労働問題の関連資料は、市販本よりもパンフレットや裁判資料のような非売品
が多く、いざ手に入れようと思ってもなかなかみつからないものが多いとのことです。そ
れだけに「捨てない工夫」をしてきたということですね。

 さて、総会が終わって懇親会に繰り出して盛り上がったのですが、そこででた話のひと
つに「労研饅頭」がありました。「ろうけんまんとう」と読むそうです。
 松山ではこの「労研饅頭」が市販されているらしいのですが、その「労研」とは労働資
料協に加盟しておられる「労働科学研究所」(http://www.isl.or.jp/)のことです。労
働科学研究所は、そもそも大原社研と兄弟ともいうべき研究所で、1921年(大正10年)に
設立された文部省所管の民間研究所です。
 『二村一夫著作集』第4巻『労働関係研究所の歴史・現状・課題』におさめられた「労
働関係研究所の歴史・現状・課題」によると、労研は大原社研と同じく大原孫三郎によって
設立されたとのことです。一時は大原社研の社会衛生部門でした(「★倉敷労働科学研究
所」http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/nk/rodoken.htm#taisengo 参照)。アカデミッ
クな大原社研に対して、労研は疲労研究や労働環境の改善のための研究をしたようです。
 労研図書館の方によると、労研饅頭は労研の暉峻義等(てるおか・ぎとう)初代所長が
発案してつくらせたもののようです。満州から林という人を呼んで、栄養価を考えてつく
った主食代用品だったらしいですね。食べた方のお話によると、饅頭というより蒸しパン
のようなもののようです。1930年発行の労研の機関誌に製法が掲載されていると言います
から、相当レトロな食べ物と言えましょう。事情通の先生のお話では、戦時中はかなり日
常生活に役立ったらしいとのことでした。
 松山にある「えひめ勤労者生活情報センター」の方によると、現在では、松山市内の
「たけうち」でのみ販売されているとのこと。道後温泉にでもおでかけのさいは、ぜひお
立ち寄りを。それまで待ちきれない方は「たけうち」に直接発送してもらう手もあります


株式会社たけうち
松山市勝山町2-12-10
Tel:089-920-8457 Fax:089-920-8456

 かつて松山では夜学生が学資を稼ぐために製造販売したそうで、当時、夜学校の先生を
していた竹内成一氏が製造販売を始めたそうです。「たけうち」はその先生のご家族が受
け継いでやっておられるお店だそうです。現在ではあんこ入りなど数種類あるそうですが、
当時のものは栄養を考えて黒大豆が入っていて、塩味でちょっと風味があるとのことです

 「労研饅頭」略して「労饅」(ろうまん)――なかなかノスタルジックじゃありません
か。秋の夜長のお供に、おひとついかがでしょう。

情報提供(感謝!)
 えひめ勤労者生活情報センター(金井令子様)
  http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~kanai/
 労働科学研究所(平田敦子様)http://www.isl.or.jp/


(のむら かずお 大原社会問題研究所研究員)

◇○◆●◆◇○◆●◆◇○◆●◆◇○◆●◆◇○◆●◆◇○◆●◆◇○◆●◆

******************************************************************

 OISR.ORGでは皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
 更新情報ニュースレター "OISR-Watch" (無料)をご希望の方は
 こちらにお申し込みください。
   E-mail: webmaster@oisr.org

 購読を中止するときもこちらにご連絡ください。

  法政大学大原社会問題研究所 (http://oisr.org)
編集担当者:鈴木 玲
   〒194-0298 東京都町田市相原町4342
   TEL 042-783-2307 FAX 042-783-2311

******************************************************************


〔2000年10月18日開始、担当・鈴木玲〕


OISR-WATCH

法政大学大原社会問題研究所 (http://oisr.org)