| 日本では、1970年代に、サリドマイド、スモン、クロロキンなどの薬害が社会問題化した。しかし、薬害問題の根の深さは、それが過去の問題ではなく、薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病、MMR(新三種混合ワクチン)、C型肝炎などによる薬害が繰り返され続けていることにある。また、薬害問題には、医療と切り離しては論じがたい側面があることから、薬害が医療問題の一環としてとりあげられるケースも多く、陣痛促進剤やビタミン欠乏症による医療事故なども含めて、薬害および医療被害の範疇は拡大される傾向にあるようにみえる。 以下では、個別の事例にそって、代表的事例と考えられるサイトのいくつかを列挙したに過ぎないが、薬事行政を主管する厚生労働省およびその関連団体、研究者、各種の薬害被害者・被害者団体などによって作成されたサイトをはじめ、インターネットで入手可能な情報の量は夥しいものがある。薬害問題の構造を反映しているかのように、厚生労働省や関連団体のサイトでは、医薬品副作用などの情報提供に重点が置かれているのに対し、その他の制作主体によるサイトには、情報提供にとどまらず、新たな問題を提起したり、過去に薬害を多発させた社会的要因の分析を行っているものが多くみられる。 例えば、Live and let live (http://www.sam.hi-ho.ne.jp/live/yakugai/)では、薬害とは、「有害に関する情報が軽視・無視(遮断・隠蔽・歪曲)されて医薬品が使用された結果、社会的に引き起こされる健康被害。従って、そうした事がなければ、本来避けられる被害(人災=社会的に作られた災害)」であり、薬害多発の推進・促進・助長要因としては、「製薬企業の安全性を軽視・無視した利潤追求・大量生産・大量消費政策、国の(大)企業追随・安全性軽視の医療・薬事行政、医療従事者、とりわけ医師の間に見られる薬物療法への安易な姿勢傾向、医学・薬学界の製薬企業追随傾向」を指摘している。 また、上記サイトでは、薬害多発を防止できなかった要因として、「医学・薬学分野における科学性確立の立ち後れ、医療従事者、とりわけ医師の薬害問題取り組みの立ち後れ、国民の保健教育の立ち後れ、国民の保健衛生、人権意識の立ち後れ」が挙げられている。 |