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日本労働年鑑 特集版 太平洋戦争下の労働運動
The Labour Year Book of Japan special ed.

第二編 産業報国会運動

第二章 大日本産業報国会の結成(つづき)


〔資料〕産業報国聯合会ノ改組ニ関スル件
 昭和十五年十二月二十四日厚生省発労第八四号ヲ以テ厚生次官内務次官、連名ニテ府県長官(東京府知事ヲ除ク)宛通牒
 産業報国運動ノ指導ニ関シテハ特別ノ御配慮ヲ煩ハシ居リ候処曩ニ大日本産業報国会結成セラレ同会則第二十一条ニ依リ道府県ニ於ケル本運動ノ実施統轄指導組織トシテ道府県産業報国会規定ノ制定ヲ見タル次第ニ御座候就テハ此際昭和十四年四月二十八日厚生省発労第二七号産業報国聯合会ノ設置ニ関スル件依命通牒ニ基キ設置シタル道府県産業報国聯合会並ニ地域別聯合会ヲ別紙道府県産業報国会規定ニ依リ夫々道府県産業報国会並ニ同支部ニ改組シ本運動ノ地方組織ノ整備充実ヲ図ル様可然御配意相成度依命此段及通牒候也

 追而産業報国聯合会ニ関スル通牒中大日本産業報国会会則及道府県産業報国会規定ノ趣旨ニ反セザル事項ニ付テハ従来ノ通ニ付左様御承知相成度

〔資料〕商業部門ニ於ケル産業報国運動ト商業報国運動トノ限界ニ関スル件
 昭和十六年一月七日一五振、第一、一〇六号ヲ以テ商工次官厚生次官、連名ヲ以テ商業報国会中央本部長、大日本産業報国会理事長宛通牒

 今般商業報国会及大日本産業報国会結成セラレ夫々ノ商業報国運動産業報国運動ヲ全国的ニ実施スルコトト相成候処商業報国運動ハ時局下ニ於ケル物資配給ノ重要性ニ鑑ミ商業者ヲシテ営利主義ノ旧殼ヲ脱却シテ公益優先ノ精神ニ則リ経済新体制ノ確立ニ協力シ配給統制物価統制等諸般ノ経済統制ヲ遵守シ以テ聖戦目的ノ完遂ニ邁進セシムルコトヲ目的トスル経済新体制ノ推進運動ナルニ対シ産業報国運動ハ皇国産業ノ本義ト産業人ノ使命ヲ明カニシ全産業一体トナリテ事業一家職分奉公ノ誠ヲ致シ以テ皇国産業ノ興隆ニ総力ヲ竭スコトヲ目的トスル勤労新体制ノ確立運動ニシテ両者其ノ目的ノ重点ヲ異ニスルヲ以テ別箇ノ運動トシテ実施スルコトト相成リタル次第ニ有之候ニ付テハ産業報国運動ト商業報国運動トノ組織上ノ限界ヲ明カニ致度候ニ付テハ商業部門ニ於ケル商業報国会及産業報国会ノ結成ニ当リテハ左記ニ依リ御取扱相成度此段及通牒候也

  記
一、一般ノ商業者ニ付テハ企業主ノミヲ以テ商業報国会ヲ結成セシメ企業主ヲ通ジテ其ノ従業員ニ対スル商業報国精神ノ徹底ヲ図ルコトトシ企業主及其ノ従業員ヲ打ツテ一丸トスル産業報国会ハ当分ノ間之ヲ設ケシメザルコト

一、百貨店ハ多数ノ労務者ヲ使用スル特殊ノ業態ナルヲ以テ各百貨店毎ニ業主及従業員全員ヲ以テ報国会ヲ結成セシメ産業報国運動ニ参加セシムルト共ニ全国ノ百貨店ヲ以テ単一ノ報国会ヲ結成セシメ商業報国運動ニ参加セシムルコト

〔資料〕鉱業報国聯合会ノ改組ニ関スル件
 昭和十六年四月十七日厚生省発労第二八号ヲ以テ厚生省労働局長商工省鉱山(局長連名ニテ鉱山監督局長宛通牒)
 産業報国運動ノ指導ニ関シテハ格別ノ御配意ヲ煩ハシ居候処曩ニ大日本産業報国会結成セラレ同会会則第二十二条ニ依リ鉱山ニ於ケル本運動ノ実施統轄指導組織トシテ道府県産業報国会ノ外地方鉱山部会ヲ設置スルコトト相成リ今般別紙ノ通地方鉱山部会規定ノ制定ヲ見タル次第ニ御座候就テハ此ノ際昭和十四年六月七日厚生省発労第四三号鉱山報国聯合会ヲ別紙地方鉱山部会規定ニ依リ地方鉱山部会ニ改組シ之ガ整備充実ヲ図ル様可然御配意相成度依命此段及通牒侯也。

〔資料〕鉱山ニ於ケル産業報国運動ノ事業区分ニ関スル件
 昭和十六年四月十六日労発第二一三号ヲ以テ厚生省労働局長ヨリ庁府県長官(東京府知事ヲ除ク)鉱山監督局長宛通牒
 鉱山ニ於ケル産業報国運動ハ道府県産業報国会及地方鉱山部会ノ両者ニ於テ実施スル事ト相成侯処之ガ円滑ナル運用ヲ期スル為両者ノ間ニ主トシテ其ノ行フベキ事業ヲ別記ノ如ク区分シ左記事項留意ノ上計画実施スルコトト致候条道府県産業報国会及地方鉱山部会ニ対シ右御示達ノ上可然御指導相成度

  記
一、鉱山ニ関スル事業ノ計画及其ノ実施ニ就テハ当時両者緊密ナル連絡ヲ保持シ相協力シテ之ガ適切ナル運用ヲ期スルコト
二、道府県産業報国会ハ専ラ一般的ナル事業ニ、地方鉱山部会ハ専ラ鉱山ノ特殊性ニ関スル事業ニ夫々重点ヲ置キ、両者ノ間ニ事業ノ競合ヲ来サザル様留意スルコト

三、鉱山ニ関スル事業中特ニ共通ニ行ヒ得ル部門ニ就テハ年度開始前両者ノ間ニ予メ充分ナル協議ヲ遂ゲ徒ラニ同種ノ事業ヲ重復シテ実施セザル様事業計画ノ協定ヲ図ルコト

四、共通ニ行ヒ得ル部門ニ属スル事業ニシテ両者協力シテ実施スルヲ適当ト認メラルルモノニ就テハ特ニ実施ノ時期、方法等ニ付充分ナル連絡ヲトリ成ルベクハ両者ノ共同主催トシテ実施スル様協議スルコト

五、其ノ他事業実施ニ関シ連絡上必要ナル事項ハ相互ニ情報ヲ交換スルコト


 なお、日本海運報国団の結成について、内務省警保局編「社会運動の状況」(昭和一五年)は、つぎのように記録している。

 

海上労働新体制の確立を指標する日本海運報国団の結成問題に関しては、主管者たる逓信省に於て、本年〔一九四〇年〕八月以来関係官民の協力を求め着々其の準備を進めつつありたるが其後理事長の選任問題、分団組織の可否等に関し準備委員の間に対立せる意見ありしも大乗的に之を克服し十一月九日の設立委員会に於て最後的打合を行ひ、規約竝に役員の決定を行ひ愈々十一月二十二日、日比谷公会堂に於て之が結成式を挙行することとなりたり。

 当日は、総長村田逓信大臣以下団員約三千名、各官庁関係其他来賓約五十名の出席あり午後一時十五分理事河野常八の開会の辞によりて開会、国歌斉唱、宮城遙拝、戦歿勇士に対する感謝黙祈の後理事長太田丙子郎の挨拶及同人の綱領発表あり理事大谷登決議文を朗読、満場一致を以て可決し、次で村田総長の訓示、内務、厚生、陸軍、海軍各大臣(何れも代理)及海運協会理事長大谷登、近海汽船協同同盟理事長監津英薫の祝辞竝に祝電百五十三通を発表、聖寿万歳を三唱して午後二時四十分閉会せり。閉会後海軍軍楽隊の演奏あり、団員約三千名は太田理事長指揮の下に隊伍を整え宮城前に行進し、宮城の遙拝、万歳の唱和を行ひて散会せり。

日本海運報国団綱領
一、我等は皇国海運の使命を体し和衷協同克く其の職分に奉公し以て国防国家体制の完成に貢献せん。
日本海運報国団結成式決議
 本日茲に日本海運報国団結成式を挙行するに方り、我等皇国海運に従事する業者及び船員は其の総員を挙げて本団員となりて以て本団綱領の実現を期す。

日本労働年鑑 特集版 太平洋戦争下の労働運動
発行 1965年10月30日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 労働旬報社
2000年2月22日公開開始


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