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日本労働年鑑 第59集 1989年版
The Labour Year Book of Japan 1989

第三部 労働組合の組織と運動

II 労働組合全国組織の動向


6 単産などの動向

全国一般、激論のすえ連合加盟を決定
 総評・全国一般労働組合(一一万三〇〇〇人)の第四二回定期大会(八八年七月三一日〜八月二日)は、激しい論議のすえ連合への加盟を決定した。

 主流左派といわれた富岡委員長らの執行部が提案した方針は「総評の方針と離れたナショナル・センターの選択はありえない」として、連合への加盟をふくむものであった。連合にたいしては、「総評時代より中小問題不備で不安がある」としつつも、国際自由労連加盟問題も「国際化時代の一つの対応」として、総評の方向で討議することにした。また、地方の産別未加盟の中小労組の産別結集の受け皿として、「組織拡大のためにも連合加盟を」と強調した。出席代議員一〇九人のうち、賛成六七(五六%)、反対三一、保留七、棄権二の賛成多数で可決された。

 一方、労戦問題部分の全文削除と「全民労連には参加しない」などとする修正案が埼玉・千葉両地本から提出されたが、賛成二一(一九%)の少数で否決された。ただし、この修正案には、両地本のほか東京、京都、宮城一般の「一般中小労組連絡会」に結集する地方組織だけでなく、新潟地本、宮城合同など九州を除く「左派」地方組織が賛成して注目された。

連合反対派の一般中小労組連絡会、三万六〇〇〇人を結集

 八三年に全国一般執行部が全民労協加盟を提案した際、反対勢力によってつくられた「一般中小労組連絡会」(三万六〇〇〇人)の第六回総会(八八年八月二八〜二九日)は、八九年秋を目途に「広く全国一般内外によびかけて連合不参加、一般同盟への吸収合併反対の多数派形成および全国単産結成にとりくむ」方針を決定した。新全国組織には、三万六〇〇〇人に加えて、全国一般内から新たに二万人程度が参加するものといわれる。また正式名称は、これまでの「基本構想反対・全民労協不参加、一般中小連絡会」から「連合不参加・まともな労働運動をめざす一般中小連絡会」に変更した。
 さらに、一一月一二日、第七回臨時総会を開き、「春闘懇に参加し、連合不参加労組の結集に努力するとともに、統一労組懇と共同して、たたかうまともなナショナル・センターの確立に奮闘する」と決議した。

金属労組、連合加盟をめぐって路線対立激化
 〔全金連合〕 八八年二月九日、仝金同盟と小松製作所労組、全矢崎労組、村田機械労組、自動車部品中立労組連絡協議会の約三二万人は、全金連合を結成した。

 〔全国金属〕 総評全国金属労働組合(一五万人)の第六二回定期大会(八八年八月三〇日〜九月一日)は、機械金属労組の統一を打ち出した方針を決定した。また、国際活動に関する方針の変化がいちじるしかった。前年度方針は国際自由労連一括加盟に反対し、世界労連系をふくめ各国際組織との連携を強化していくとしたが、八八年度は金属インターとの交流が方針から消え、IMF(国際金属労連)との協力関係の強化、国際自由労連の見直しが提起された。

 さらに、連合反対勢力の「金属連絡会」にたいして、「もはや一つの組織における意見の相違とはいいがたい。明らかな分裂行動である」とし、「継続して連絡会活動にかかわる支部には全国金属からの離脱を求める」とした。

 これにたいして、「金属連絡会」と「全金内連絡会」系の代議員一二人が、(1)前年大会で決めた連合加盟の見直し、(2)機械金属労組の統一の削除を求める修正案を提出した。挙手採決の結果、修正案は賛成二五、反対二〇三で少数否決した。前年大会における連合加盟反対の修正案への賛成は四七人で代議員数の約二〇%であったことから、今大会は半減したことになる。

 なお、九月二〇日、「機械金属産業労働組合結成準備会」の発足総会が開かれ、全国金属、全機金、新産別京滋地連のほか、純中立の一三単組が参加した。

 〔金属連絡会〕 一方、全国金属が全民労協に加盟したことを不満として八二年一二月に結成された「右翼労戦不参加金属機械労働組合連絡会(略称:金属連絡会)」の第二回定期総会(八八年一〇月二〜三日)は、全国金属の大会が新たな機械金属の統一を決めたことを「全国金属の解散、つぎの段階での全金同盟に吸収されることを決定したこと」と非難し、八九年二月に新しい機械金属の産業別組織を結成することを決定した。金属連絡会は別の反連合勢力である「全金内連絡会」(社会党左派系、無党派左派系)とも連携して新産業別組織を結成したい意向である。

 これにたいして全国金属は、八八年一二月一四〜一五日に開催した中央委員会で「対策委員会」を設置し、対処する方針を決定した。全国金属本部の推定では、「金属連絡会」と「全金内連絡会」の双方を合わせて、組合数で約三〇〇、組合員数で約一万一〇〇〇〜一万二〇〇〇人としている。

全印総連、連合不参加で連合派脱退

 八八年六月一〇日に開かれた全印総連(全国印刷出版産業労働組合総連合会)の第一〇九回中央委員会は、連合への不参加の方針を確認した。これに先だち五月二四日の中央執行委員会が連合不参加の方針を再確認し、連合指向組合が規約にもとづいて脱退届を提出するように要請、同中央委員会から七月の定期大会、八月の大阪地連大会までの間にコクヨ、ヨシダ印刷など連合指向の三四単組、約四二〇〇人が脱退した。これらの単組は、八九年秋の結成が予定される「印刷関連産業別労働組合」へ参加するものとみられる。この結果、全印総連の組織は二三一単組、約九二〇〇人になったと推定される。

 また、第三七回定期大会(八八年七月一七〜一九日)では、連合不参加をあらためて確認し、「統一したたたかうナショナル・センターづくりの運動に積極的にとりくむ」こと、「国労・統一労組懇をはじめたたかう仲間と連帯を強化するため共闘に積極的にとりくむ」ことを決定した。

 なお、出版労連との組織統一を具体化する方針が決定され、出版労連も第六四回定期大会(八八年七月二一〜二三日)で、印刷出版労働戦線の統一にむけて全印総連などとともに「新しい器」づくりを進めることを決定した。

鉄鋼労連、「新運動パターン」を確認

 鉄鋼労連(日本鉄鋼産業労働組合連合会)の第七九回定期大会(八八年九月一五〜一七日)は、八九年春闘から一時金を除く労働条件のすべてを一括してとりくむ「新運動パターン」を最終的に確認した。方針は、前年大会が提起した、賃上げ中心の春闘をあらため、賃金と時短をセットにした包括的労働協約を締結する「総合労働条件決定闘争」を決定したもので、連合や他の単産にも積極的に働きかける構えである。
 役員改選では、新沼委員長を再選し、新書記長には鷲尾悦也新日鉄労連副会長を選出した。

自治労、労戦問題で分裂深める

 〔自治労〕自治労(全日本自治団体労働組合)の第五四回定期大会(八八年八月二四〜二七日)の議論は、労働戦線問題に集中した。方針は、(1)対等平等の立場で新統一ナショナル・センターの新綱領をつくる、(2)産業別組織を加盟原則とする、(3)選別反対の態度を堅持し、統一ナショナル・センターの綱領、運動原則に賛同するすべての組合に門戸を開放する、の三原則で統一協議に臨むとした。さらに、国際自由労連加盟問題についての方針を転換した。提案説明をおこなった中西副委員長は、一年以内に国際自由労連に加盟するという総評の方針を支持する考えを示した。

 これにたいして大会では、(1)岩手、愛知、埼玉、京都、千葉、愛媛の反主流派六府県共同提案、(2)反主流派の静岡県単独提案、(3)東京都職労単独提案の三つの修正案が提出された。
 挙手採決の結果、出席代議員一一四一人のうち、原案賛成八四七人(七四%)で可決、六府県共同修正案は賛成二四九人(二一・八%)の少数で、また他の二つの修正案も賛成少数で否決した。
 また、一二月八〜九日に開かれた自治労第八九回中央委員会には、反主流派の七府県本部などは参加しなかった。

 〔統一労組懇自治体部会〕 統一労組懇自治体部会(吉田平議長、八二年結成、公称三〇万人)は、八八年一〇月二三〜二四日に連合不参加自治体労働組合全国代表者会議・総決起集会を開催した。この会議では、自治労は「連合路線に屈服したことにより」「産別組織としての正当な機能喪失の道を歩むことになった」と指摘し、八九年春にすべての連合不参加組合による「自治体労働組合全国連絡協議会」(仮称)を結成することを確認した。これをうけて一二月一七日、吉田平統一労組懇自治体部会議長、大江洸自治労京都府本部委員長ら二七人連名による全国連絡協結成の呼びかけが発表された。
 これにたいして、自治労は「組織防衛・産別強化闘争委員会」を設置し、対決する方針を決定した。

日教組、執行部退陣で組織混乱を収拾

 八五年に開かれて以降定期大会が開催されないという異常な状態が継続していた日教組(日本教職員組合)は、二年七ヵ月ぶりに第六四回定期大会(八八年二月一〜三日)を開いた。大会の最大の焦点であった労戦問題では、「総評の全的統一の方向支持」の執行部原案を承認した。この労戦問題では、反主流派の大阪府教組など二九組合が、(1)連合不参加、(2)「全的統一」と官公労の右翼再編反対の修正案を提出し、主流左派も一二の修正案を出した。

 無記名投票の結果、主流左派の修正案のうちで「次期大会まで下部討議」とした最も柔軟な山形県教組修正案が、投票総数四七七のうち、賛成が四四・四%の二一二を得たものの、反対二六一、白紙四で否決された。また反主流派の修正案は、賛成一七七、反対二九七、白紙一、無効二で同じく否決された。

 役員は、田中一郎委員長ら四役が総退陣し、福田忠義委員長らの新執行部が選出され、組織混乱を一応収拾した。しかし、福田新委員長に一七三票という「異例に多い不信任票」(『週刊労働ニュース』八八年二月八日付)が出た。

 また、七月一八日から二〇日まで開催された第六五回定期大会では、労戦問題で「総評・官公労の全的統一の方向を支持」するとともに、「五項目」「三問題」で「統一阻害要因を除去する」との方針を決定した。主流左派の一部と反主流派が修正案を提出し、代議員四七二人中、「政党からの独立」修正案は賛成一五七人(三三%)、「連合との新センター不参加」修正案は一五七人、「反自民、反独占の原則堅持」修正案賛成は四五・五%に達した。

新聞労連、連合不参加を決定

 新聞労連(日本新聞労働組合連合会)の第七二回定期大会(八八年七月一八〜二〇日)は、労戦問題で連合の方針は新聞労連の統一五原則に反するとして、「中央・地方で参加できないし、参加しない」方針を拍手で決定した。また、今後は「たたかう組織の確立に向け、主体的な努力をおこなう」との方針を決定した。
 なお、大会の討論では、読売労組は、方針に「反対ではない」としつつも、「連合不参加を決めるのは早過ぎないか」と態度を保留した。

国労、「全労協」結成の中心になることを示唆

 国労(国鉄労働組合)の第五二回定期大会(八八年七月二〇〜二二日)は、国労組合員にたいする不当労働行為事件にたいするたたかいと清算事業団に配属されている組合員、労働者の雇用確保を一体のものとして全力をつくすとの方針を決定した。また、労戦問題では、「資本とたたかうために結集し団結する母体」をつくるために全力を傾けるとして、事実上、労研センター提唱の「全国労働組合連絡協議会(全労協)」結成の中心になることを示唆した。

 一方、社会党一党支持・協力関係の見直しを求める修正案は二〇四人中、賛成八四人(四一%)で否決された。
 また、一一月の中央委員会では、宮坂書記長は労戦問題について、つぎのように集約した。

 「労戦問題での基本的態度は、連合に参加しない、地域共闘を広範に展開しながら、たたかう母体の結集をはかる、ということだ」「連合不参加、統一労組懇にも参加せずということから、残るは全労協だけだが、共闘強化を重点にしながら、大会方針にもとづき主体的に対応することを基本に対処する」「単一体としての統一的対応という観点からいうならば(下部組織が)国労の組織として統一労組懇に加盟することは重大問題として対処しなければならない」。

紙パ連合、五万人で正式発足

 八八年二月五日、日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会(紙パ連合)の結成大会が開かれ、正式に発足した。組織人員は一〇八単組、五万六〇七人。これは、旧同盟系の紙パ総連合と総評系の紙パ労連が前日にそれぞれ解散大会を開いて機関手続きを完了させていたものである。

紙パ協議会、連合に反対して一三〇〇人で結成

 これにたいして、紙パ連合の結成に反対する組合は、八八年二月六日、王子旧労など一四組合・一ブロック、一三〇〇人で全国紙パルプ産業労働組合協議会(紙パ協議会)を結成した。また、第二回定期総会を八八年七月一六〜一七日に開催した。同協議会は、紙パ連絡会を前身とする全国的な産別組織で、八八春闘懇に加入し、ひきつづき八九春闘懇に加盟した。

地県評連絡会、社会党左派と統一労組懇系で結成

 八八年一〇月二八日、「総評・地県評・地区労運動の継承・強化・発展をめざす全国連絡会(略称:地県評連絡会)の結成総会が開催された。社会党左派系、統一労組懇系など全国二四都道府県、約三六〇人が参加した。

 組織対象は、「連合路線反対、地県評・地区労解散反対の地県評・地区労とその趣旨に賛成する労組すべて」としている。また、活動内容は、(1)地域労働運動を前進させるための共闘および情報交換、(2)連合の路線に反対する諸活動、(3)そのほか生活と権利を守るうえで必要で、かつ全体が合意できる活動、としている。全国組織の事務局は都労連におき、財政規模は、年間五〇〇万円である。

 また、佐藤智治(国労東京地本委員長)、宮部民夫(都労連委員長)、大江洸(京都総評議長)、光盛征司(宇和島地区労委員長)など一九人を代表世話人に選出した。

 この日の夕方、大衆集会を開催し、八〇〇〇人が参加した。来賓として、中里忠仁八九春闘懇代表幹事と石沢賢二運輸一般委員長があいさつした。つづいて翌二九日には、第一回代表者会議を開催した。宮部代表世話人は、「(統一労組懇の提唱する)階級的ナショナル・センターや全労協の問題には直接関与しないが、連絡会づくりは、その運動に幅と深みをもたらすだろう」とのべた。

八九春闘懇、新たに都労連も参加

 八七年一二月一五日に結成された「連合にいけない、いかない労働組合」による八八春闘懇談会は、八八年二月一〇日の単産等三役会議までに、正式参加が国労、新聞労連、全港湾、全印総連東京、民放労連、出版労連、広告労協、建設関連、全日建運輸、映演共闘、化学一般全国協議会、石油三単組連絡会、電通労組全国協議会など二二組織、オブザーバー参加五組織となった。

 また、八八年七月六日の第二回総会は八九春闘懇への発展を決定し、一〇月一二日に正式に発足した。活動方針は、第一に「当たり前、まともな労働組合、労働運動」の構築をかかげ、また「労働者の利益を守る闘争と国民的要求・諸課題を固く結合して、情報の交換、連携・交流・相互支援・共同行動など組織的行動をとりくむ」とした。新しく都労連(一七万人)が参加し、二四組織、四オブザーバー、合計四〇万人以上と発表された。

 総会では、代表幹事に稲田芳朗国労委員長、宮部民夫都労連委員長ら五氏を選出した。財政は、正式加盟が組合員一人当たり月額四円、オブザーバー加盟が同一円であり、前年の正式加盟同一円よりも大幅に増額された。

全建総連、連合への評価を明らかにせず

 連合に加盟していない単産としては最大の全建総連(全国建設労働組合総連合)は、八八年一〇月一八〜二〇日に第二九回定期大会を開いた。あいさつした江口委員長は「消費税粉砕までたたかいぬく」とのべた。労働戦線問題では、本部は「具体的な要求が一致する場合は」連合をふくめて共闘すると提案した。これにたいしては、「連合に加入しないことを明記すべきだ」などの反対意見が続出したが、加藤書記長は総括答弁で「全建総連は、連合についての評価を明らかにしていない。評価すると組織の分裂を招く。団結を大事にする」とのべた。新役員には、委員長に加藤忠由氏を、書記長には矢田忠昭氏を選出した。

民放労連、「天皇」報道でスト権確立

 民放労連(日本民間放送労働組合連合会)は、民放各局の天皇報道で、(1)記者・製作者の権利が侵害される危険性が高まっている、(2)放送労働者の生命と健康が危険な状態にある、(3)放送労働者の社会的責任をはたすために、主権在民の立場にたった節度ある天皇報道を求めていく必要があるとして、スト権の確立を年末闘争方針の捕強として加盟各労組に呼びかけた。
 在京民放キー五局労組のスト権確立支持率はつぎのとおりであった。日本テレビ=九五・〇%、TBS=九一・五%、フジテレビ=八二・四%、朝日=九〇・九%、東京=九四・六%。

全港湾、連合加盟を当面保留

 全港湾(全日本港湾労働組合)の第五三回定期大会(八八年九月七〜九日)は、労働戦線問題で、「統一ナショナル・センター」の全体像が明らかになった段階で、「加盟の可否について討議」する、連合加盟は当面保留する、交運労協は参加の時期をひきつづき討議するとした運動方針を採択した。

全造船、連合へ正式加盟
 全造船(全日本造船機械労働組合連合会)八八年二月二七日の臨時大会で、「限りなく正式加盟に近いものとして取り扱う」という前提で連合へのオブザーバー加盟を決定し、五月中旬に加盟を申請した。
旧同盟系から「運動方針で『進路と役割』にたいする態度を明示していない」とクレームがついたが、八月中旬にオブ加盟が認められた。

 第五四回定期大会(八八年九月四〜六日)では、「中央・地方における民間労働者と官公労働者をふくめた統一の実現に積極的に参加」するために、連合に正式加盟するという方針を賛成五二人、反対二七人(三四%)で決定した。

政労協、八九年の大会で連合加盟を決定
 政労協(政府関係特殊法人労働組合協議会)の第六一回大会は続開大会を開き、激論のすえ、「新統一体加盟へ論議を開始し、来春の臨時大会で正式決定する」との方針を決定した。

 政労協では、滝沢議長の出身単組の全基労が、滝沢氏の総評の全的統一方針支持を理由に次期議長への推薦をおこなわなかった。滝沢氏は団地サービス労組へ移籍し、議長に立候補しようとしたため、全基労は滝沢氏の除名を決定した。しかし、滝沢氏が大会に議長として出席したことから、第六一回定期大会(八八年八月四〜六日)では資格問題で紛糾し、労戦問題は続開大会に持ち越しとなった。

 一〇月一二日から開かれた続開大会では、「総評の労戦統一方針を基本的に支持する。統一ナショナル・センターヘの加盟に向け討議を開始、来春の臨時大会で一括加盟を決定する」とした方針が提出された。これにたいして、全基労など六単組が「政労協の統一と団結を何より重視し、対処方針を確立する」とした共同修正案を出したのをはじめ、五つの修正案が提出された。激しい討議を経て、加盟の詩期については「八九年夏の定期大会まで延期することはありうる」と口頭修正した。採決の結果、修正案は、六単組共同修正案が、単組採決によって賛成一六、反対五五、保留一二で否決されたのをはじめ、五つとも否決された。原案は、賛成一六五人(五六単組)、反対六五人(二一単組)、保留一二人(六単組)、無効二人で、採択に必要な一六三をかろうじて上回って可決された。

労研センター、反連合共闘組織「全労協」の結成を提唱

 太田薫、市川誠、岩井章氏らの労働運動研究センターは、八八年六月三〜四日、全国幹事会を開き、「連合に反対するすべての労働者、労働組合の結集をめざす連絡・共闘組織」として、「全国労働組合連絡協議会(全労協)」の結成を訴えるアピールを確認した。

 また、一一月二二〜二三日、第六回総会を開き、全労協を八九年秋に発足させるため、八九年春に全労協準備会を設けることなどを打ち出した。提案された「全労協の基調と目標(第一次案)」は全労協結成準備会の呼びかけ文に当たる性格をもつため、労研センターではなく、「有志懇談会」の名称でだされた。総会では、統一労組懇との関係に議論が集中したが、意見を集約した岩井代表幹事は「統一労組懇との共闘は当然である」とし、さらに討議を深める態度を示した。この呼びかけを受け、一二月二六日、「全労協結成をめざす懇談会」(代表・宮部都労連委員長)を設置した。

 〔参考文献〕 (1)『WEEKLYれんごう』、『れんごう政策資料』、『連合結成大会議案書』、(2)『総評新聞』、『月刊総評』、『総評第七九回定期大会議案書』、『同各局報告書』、(3)新産別第四一回定期全国大会関係議案書、(4)友愛会議第二回総会「一九八八年度活動計画案」、(5)統一労組懇一九八八年年次総会関係資料、同機関紙『統一労組懇』、(6)『週刊労働ニュース』、(7)『朝日新聞』、(8)『赤旗』、その他。

日本労働年鑑 第59集
発行 1989年6月26日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 労働旬報社
2000年2月22日公開開始


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