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日本労働年鑑 第59集 1989年版
The Labour Year Book of Japan 1989

第三部 労働組合の組織と運動

II 労働組合全国組織の動向


5 友愛会議

3 労働戦線統一問題への対応
地方組織と官公労対策を重要課題とする
 八八年度活動計画では、「とくに地方組織問題や正しい考え方にもとづく官民の統一が重要課題」として、(1)地方組織対策と、(2)官公労対策をかかげている。

 地方組織対策については、「連合が名実ともに働く者の攻守同盟体となるためには、一日も早い地方連合組織の確立が不可欠」とし、「この実現をはかるためには、連合で明らかにされた方針を基本として、その確立に努めなければならない」と強調した。

 また、官公労対策については、全官公が協議体から運動体へ再編したのを受けて、「民主的な官民統一については、連合を窓口に進める」、「『連合』の『進路と役割』などの『基本構想』を前提とする」、「統一のメドを一九八九年とし、対応する」とした。

連合との協議では、官公労の「吸収」を主張

 連合結成以後の労働戦線の統一問題をめぐっては、(1)連合と総評・官公労、(2)連合と友愛会議・全官公とのブリッジ方式での協議がおこなわれたが、以下では、連合と友愛会議・全官公との協議のおもな経過にしぼって記録する(連合と総評・官公労との協議については、「1 連合」の「3 労戦統一問題の連合と総評との協議」の項を参照)。

 〔第一回・二月五日〕全官公は「連合の『進路と役割』、運動方針に賛成であり、即時連合加盟を希望している」とした。これにたいして、連合側は、「『進路と役割』、国際自由労連加盟などを基本にして、労働界全体の統一が一九八九年までに実現できるよう、最大限の努力を傾注する」とのべた。

 〔第二回・四月一二日〕 連合側が、三月二八日の総評・官公労との会談の内容を説明したのにたいして、友愛会議・全官公は三重要課題について、第一回会談同様、「全面的賛意」を表明し、八九年秋までの統一実現を強く求めた。さらに、「労働界全体の統一は、連合が母体になるべき」であり、「統一の当事者はあくまでも連合と全官公、総評官公労であり、連合が官公労を吸収合併する形が基本である」と主張した。連合側は、「具体策確立にむけて着手する」とこたえた。

 〔「民主的官・民統一に対応する友愛会議の基本的考え方」〕 四月一八日の地方代表者会議等合同会議と五月二七日の代表者会議で、「民主的官・民統一に対応する友愛会議の基本的考え方」と「地方連合に対応する友愛会議の組織方針」を確定した。このうち、「基本的考え方」では、総評が提起した「統一ナショナル・センターの結成」「新綱領の作成」などの構想に強く反発し、連合の「進路と役割」が原点であると強調するとともに、官公労の統一についても総評が前面に出るのは「誤り」「同意しかねる」と批判した。

連合の「進路と役割」が基本、と主張

 〔第三回・五月二七日〕連合側が前日に三役会議で確認した「労働界全体の統一の基本構想」を説明したのにたいして、友愛会議・全官公は「『基本構想』に全官公の考え方が盛り込まれていることを評価する」としたうえで、新統一体への参加要件としている三重要課題について、「形式的にクリアするだけでは問題を残すので、連合としてのチェック機能をもつべきだ」と主張した。連合側は、「むずかしいが、たとえば各産別・単産が三分の二以上の賛成で連合加盟を決定することを要求するのも一つの方法だ」などと答えた。なお、友愛会議は、同日、第二回代表者会議を開き、四月一八日に決めた内容を補強した具体的なとりくみ方針を決定した。

 [「連合の『進路と役割』にたいする補強について」〕七月二二日、全官公は、「連合の『進路と役割』にたいする補強について」と題する文書を発表した。内容は、あくまで連合の「進路と役割」が基本になるべきだとする立場から「補強」という表現をし、官公労の「労働基本権の完全回復」のみをあげた。新統一体の名称については、「全日本労働組合連合会」とし、略称は「連合」のままを主張した。

 〔第四回・七月二八日〕友愛会議・全官公側は、連合側にたいして「連合の『進路と役割』にたいする補強について」を提出した。内容は、連合の綱領的文書である「進路と役割」を全面的に認めたうえで、官公労の課題にかかわる労働基本権の回復などの部分的修正にとどめ、総評が求めている新しい綱領の作成などを拒否した。

 〔第六回・一〇月一五日〕友愛会議・全官公は、新統一組織の結成は「合同」ではなく、規約改正により「官公労組に門戸開放する」かたちをとるべきだと主張した。加盟資格要件についても、統一労組懇などへの毅然たる態度を「機関決定すると同時に、実行の仕方を明確に求めていくことが必要だ」と強調した。また、地方レベルの統一協議の進め方でも、新組織に参加の意思のないところまで話し合わないよう求めた。

 〔全官公第二回大会〕 一一月二四〜二五日開かれた全官公の第二回大会は、連合の統一案を評価すると同時に、統一体に参加する官公労の資格審査を「厳正かつ確実」におこなうために「資格審査委員会」(仮称)の設置を求めていく方針を決定した。

 〔第八回・一二月七日〕友愛会議・全官公側は、「全体の統一を進めるにあたっては、連合が決定した基本方針を厳正・確実に実行すること」、「とくに『資格要件』については、中央・地方における連合の決定が守られるようにすること」などを強く要望し、双方が確認した。

日本労働年鑑 第59集
発行 1989年6月26日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 労働旬報社
2000年2月22日公開開始


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