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日本労働年鑑 第57集 1987年版
The Labour Year Book of Japan 1987

第四部 労働組合と政治・社会運動

III 政党の動向


6 日本共産党

3 大会・中央委員会
(2) 第一七回党大会
大会経過

 第一七回党大会は、八五年一一月一九〜二四日、熱海市上多賀の伊豆学習会館付属講堂で、一〇三四人(国会議員の代議員二人が公務のため欠席)の代議員と六四人の評議員が出席して開催された。大会第一日目(一一月一九日)は、宮本議長の開会のあいさつ、大会幹部団の選出、外国党・組織代表団の紹介などのあと、宮本議長の冒頭発言がおこなわれ、午前の最後に、大幡基夫民青同盟委員長、亀田得治革新懇代表世話人、引間博愛統一労組懇代表委員など来賓四人があいさつした。午後は不破委員長の中央委員会の報告のあと、討議が開始され、五人の代議員と二人の評議員が発言した。

 大会第二日目(一一月二〇日)は討議が続行され、一二人の代議員が発言したあと、内田昌伯商団連会長など五人の来賓があいさつして午前中の議事を終了した。午後も討議がつづき、代議員一七人が発言した。

 第三日目(一一月二一日)午前中の討議では一二人の代議員が発言し、山口勇子原水協筆頭代表理事など四人の来賓あいさつがおこなわれた。午後、吉岡常任幹部会委員の綱領一部改正についての報告ののち、これについての討議がなされ、代議員六人と評議員一人が発言した。

 第四日目(一一月二二日)は、一一人の代議員が発言したのち、市川正一常任幹部会委員が規約一部改正についての報告をおこない、これについての討論では一二人の代議員が発言した。

 第五日目(一一月二三日)は、本会議が休会とされ、役員選考委員会などが開かれた。また、この日夜、党大会に参加した二七ヵ国の党・組織代表団の歓迎集会が、東京、京都などで開催された。

 第六日目(二月二四日)は、不破委員長の結語のあと採決がおこなわれ、宮本議長の冒頭発言、中央委員会報告、結語が全員一致で採択された。つづいて、綱領の一部改正や規約の一部改正、その報告、結語、大会決議も全員一致で採択され、中央役員選挙の投票に入った。中央委員一八六人、准中央委員二〇人の選出など、中央役員の選出のあと、宮本議長が閉会のあいさつをのべ、野坂名誉議長の音頭で「日本共産党の第一七回大会の成功と新たな党のまい進のために万歳」を三唱し、大会は閉幕した。

議長・委員長のあいさつ

 大会初日、冒頭発言をおこなった宮本議長は、戦後四〇年、被爆四〇年という歴史的節目にあたって、大会が多くの教訓を導きだす義務があると述べつつ、国際的問題を中心に発言した。このなかで宮本議長は共産党を「唯一の革新野党」と規定して「歴史的使命はまことに重大」と強調し、「反核国際統一戦線への出発をあらためて全世界によびかけ」、「新しい情勢のなかで剛毅強じんな党風」の確立を訴えた。とりわけ、「非核の政府」提唱の新しい具体化をすすめるために、非核三原則の厳守など五つの目標を提起したこと、中国共産党との間で関係修復に向けての接渉がおこなわれている事実を明らかにしたこと、などの点が注目を集めた。

 大会第一日目午後の冒頭、約二時間半にわたっておこなわれた不破委員長の報告は、共産党以外の野党の自民連合への志向について、「反共野党がこれに熱中すればするほど自民党の退潮巻き返しの努力を助ける皮肉な自己矛盾を免れえない」と指摘して、これら諸党を批判するとともに、自民党と正面から対決する共産党の立場を強調した。現状を「戦後第二の反動攻勢」とする情勢認識については、支配層の一時の戦術的な策略ではなく、帝国主義・軍国主義復活強化の一定の段階と結びついた戦略的性格をもっていると説明し、中曽根内閣の「戦後政治の総決算」路線を「第二次反動攻勢を新しい段階に進めるもの」と位置づけた。

 また、「国政選挙での一進一退」が政治路線の誤りによって生じたとする議論については、「右傾化の流れに圧倒された敗北主義」と反論し、「分派主義」にたいしても、「今後とも原則的で非妥協的な対応をする」ことを表明した,

外国党・組織代表の参加

 第一七回党大会に参加した外国党・組織代表は、最終的に二七ヵ国にのぼり、過去最高の三〇ヵ国代表が参加した八〇年の第一五回大会に匹敵する規模となった。大会第五日目の一一月二三日に七つの都市で歓迎集会が開催されたが、その都市と参加した党・組織の名前はつぎのとおり。このうち、カンボジア人民革命党のヨス・ソン中央委員は、日本政府がヘン・サムリン政権を認めていないため、入国が拒否され、メッセージが代読されたものである。

 (1)東京(アルジェリア民族解放戦線、イギリス共産党、フィンランド共産党、ルーマニア共産党)、(2)横浜(インド共産党〈マルクス主義〉、オーストラリア共産党、ドイツ社会主義統一党、カンボジア人民革命党)、(3)大宮(スペイン共産党、デンマーク社会主義人民党、メキシコ社会主義統一党、ユーゴスラビア共産主義者同盟)、(4)名古屋(ポリサリオ戦線、フランス共産党、ベトナム共産党、レバノン共産党)、(5)京都(ファラブンド・マルチ民族解放戦線、オランダ共産党、キューバ共産党、ハンガリー社会主義労働者党)、(6)吹田(イタリア共産党、スウェーデン左翼党〈共産党〉、ソ連共産党、サンディニスタ民族解放戦線)、(7)神戸(コンゴ労働党、ノルウェー社会主義左翼党、パレスチナ解放機構〈PLO〉、ブルガリア共産党)。

役員

 第一七回党大会に際して、第一回中央委員会総会で選出された中央委員会議長、幹部会委員長、書記局長、幹部会副委員長、幹部会委員および幹部会で選出された常任幹部会委員、准常任幹部会委員は、つぎのとおり。

▽中央委員会議長・宮本顕治、▽幹部会委員長・不破哲三、▽書記局長・金子満広、▽幹部会副委員長・上田耕一郎、戎谷春松、瀬長亀次郎、高原晋一(新)、村上弘、▽常任幹部会委員・宮本顕治、不破哲三、金子満広、上田耕一郎、戎谷春松、瀬長亀次郎、高原晋一、村上弘、緋田吉郎、市川正一、宇野三郎、小笠原貞子、桑原信夫、小島優、小林栄三、立木洋、西井教雄、浜武司、宮本忠人、吉岡吉典、▽准常任幹部会委員・沢田肇、▽幹部会委員(常任及び准常任幹部会委員を除く)・阿部泰、荒堀広、石母田達、上田均、大村進次郎、緒方靖夫(新)、木島宏、木津力松、木村昭四郎、工藤晃、紺野純一、榊利夫、茂野嵩、定免政雄、白石芳朗、田中昭治、田中弘、中島武敏、新原昭治、西沢舜一、韮沢忠雄、浜野忠夫、古堅実吉、松本善明、宮田安義、山中郁子、若林暹。

日本労働年鑑 第57集 1987年版
発行 1987年6月25日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 労働旬報社
2001年8月1日公開開始


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