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日本労働年鑑 第50集 1980年版
The Labour Year Book of Japan 1980

第二部 労働運動

XIV 政党


7 日本共産党

5 諸活動
(2) 国際活動
各国共産党との関係

 日本共産党は、国際共産主義運動における「自主独立」の立場をとっている。したがって、各国共産党との関係においても「自主・独立」路線をとる党と密接な間柄にある。すなわち、社会主義国の党のなかではベトナム、ルーマニア、ユーゴとは相互に交流している。とくにベトナム共産党との関係は親密で、ハノイには日本共産党の代表が常駐している(七八年二月以降、宮本太郎中央委員)。また、七〇年代に入ってからは、発達した資本主義国の共産党との連帯を重視する方針を打ち出し、イタリア、フランス、スペインなどの党との交流が活発化している。

 一方、中国共産党との関係は、いわゆる「四人組」追放後も変化せず、きびしい対立関係にある。とくに七九年二月の中越国境紛争に際しては、中国を侵略者としてはげしく非難し、軍隊の撤退と話し合いによる解決を主張した。他方、ソ連共産党との関係も、一九六四年以降、断絶状態にある。両党関係断絶の発端となったのは部分的核実験停止条約の批准に際し党決定に反し除名された志賀義雄氏らをソ連共産党が支援したことによるものであった。その後、何回も両党間で関係正常化のための会談が開かれたが、最終的な合意をみるにはいたらなかった。

日ソ両共産党関係正常化で合意

 しかし一九七九年二月に東京で、四月にモスクワで開かれた両党代表による関係正常化のための予備会談の結果、両党は最終的に合意に達し、あとは七九年秋にも予想される両党首脳による公式会談を残すだけとなった。

 四月一四日、この問題にかんする合意文書が発表されたが、その主要点はつぎのとおりである。(1)ソ連共産党は、日本共産党を日本の共産主義運動を代表する唯一の党とみなし、元党員、各種のグループが共産主義運動の名でおこなういかなる策動も反党活動として、ソ連側のこの種のグループと関係をもたない (2)日本共産党は、ソ連共産党が表明した過去の両党関係の問題にたいする建設的態度を肯定的に評価した (3)双方は、各国共産党間の相互関係にかんする公認の諸原則、すなわち、自主・独立の尊重、同権、内部問題相互不干渉、国際連帯の諸原則にもとづいて、両党関係が確立されなければならないことを強調した。

 なお、(2)でいうソ連共産党の「建設的態度」とは、二月の会談で、ソ連側が、かつて志賀義雄氏らを支持する論文を『プラウダ』に掲載したことは「正しくなかった」と表明したことをさしているという。「合意文書」の全文および、この予備会談にかんする主張は『理論政策』七九年五月号にある。

代表団派遣
 この一年間に日本共産党が海外に派遣した代表はつぎのとおりである。

▽七八年六月二五日〜七月一二日 宮本委員長、上田副委員長らユーゴスラビア、ルーマニアを訪問。ユーゴには六月二五日から七月五日まで滞在し、チトー共産主義者同盟議長と会談し、共同声明を発表。ルーマニアには七月五日から一一日まで滞在し、チャウシェスク共産党書記長と四回の会談をおこない、共同宣言を発表した。

 ▽七九年三月三〇日から四月三日までローマで開かれたイタリア共産党第一五回大会に西沢副委員長ら出席。同代表団はフランス、ユーゴ、ソビエトも訪問し、モスクワでは日ソ両党関係正常化のための予備会談をおこなつた。

 ▽七九年五月六日〜一五日、西沢副委員長ら日ソ両党の公式会談準備のためモスクワ訪問。
 ▽七九年五月九日より一三日までパリ郊外で開かれたフランス共産党第二三回大会に村上副委員長ら出席。
 ▽七九年五月三一日より六月三日までリスボンで開かれたポルトガル共産党第九回大会に、プラハ駐在の鵜飼中央委員を派遣。
 ▽七九年六月一五日からシドニーで開かれたオーストラリア共産党第二六回大会に荒堀幹部会委員らを派遣。

 ▽七九年六月二九日〜七月一〇日、野坂議長を団長とし、西沢、村上両副委員長を副団長とする代表団がベトナム、カンボジア、ラオス三国を訪問し、ベトナム共産党、カンボジア救国民族統一戦線、ラオス人民革命党の各代表団と会談した。はじめ、このインドシナ三国訪問には宮本委員長が団長となる予定であったが、同氏の健康上の理由から野坂議長にかわった。

 一方、外国からスウェーデン左翼党議長が来日(七八年一一月四日)して共産党首脳と会談したほか、七九年六月の〃赤旗まつり〃にはフランス、メキシコ両共産党の代表が出席した。

日本労働年鑑 第50集 1980年版
発行 1979年11月10日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 労働旬報社
2001年9月25日公開開始


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