OISR.ORG へようこそ 法政大学大原社会問題研究所

日本労働年鑑 第27集 1955年版
The Labour Year Book of Japan 1955

第二部 労働運動

第四編 その他の社会運動


第三章 学生・青年・婦人の運動

第一節 学生・青年の運動
国際青年権利擁護会議

 三月二二日−二七日オーストリア・ウィーンにおいて、英米仏ソ中国を含む五〇ヵ国の青年学生が参加してもたれた。これに対して日本では第二回大会で選出された一〇名の代表が参加する予定であったが、政府の旅券妨害により実現できず、海外にあった小倉金吾(民主青年団)が代表報告を行った。次に、この大会で発表されたアピールを掲げる。

  
(アピール)
 全世界の青年の皆さん!
 世界の平和とよりよい生活を求めている青年婦人の皆さん!

 政治的、宗教的に極めて異った見解をもち種々さまざまな民族国民に属する数千万の青年代表として国際青年権利擁護会議に参加した私達は皆さんに訴えます。世界のあらゆる地域における労働青年、農村青年、学生、知識人は私達をこの会議に送り、現在青年の最も切実な問題について討議するよう委ねました。私達はこの会議におけるさまざまな意見の広汎なそして自由な交換によって、多くの国々において青年が最も基本的な経済的、社会的、政治的、諸権利を奪われ、そしてこの状態がますます悪化しつつあることを知りました。数えきれない程多くの青年達が貧困と失業と飢餓とに悩まされ、一般教育と技術的訓練の欠除とによって、本来的な民主的自由の権利と同じく休息や余暇や健康な生活を楽しむ権利を奪われています。私達は経済的な組織制度に対しては各々違った見解をもっています。しかし私達は、多くの国々におけるこうした青年の悲惨な状態の原因が現在の瞬間において再軍備を急激におし進め、その結果、平和予算の縮少と国際的な経済交流の破壊をもたらしている新しい世界戦争の準備によるものであることを、満場一致で確認しました。

 この堪えられない状態は極点にあり、私達が青年であるという事実は、私達をして満ち足りた幸福な生活を熱望させます。私達は私達の未来と祖国と全人類の繁栄のために、平和的な仕事を強く望みます。私達はこうした目的が達成できるものであることを知っています。すべての国々の青年と世論の熱望を結集させた私達の会議は、ここに幸福を求める青年の権利を宣言します。(中略)

 青年の正当な要求はただ平和とすべての民族の独立のなかにおいてのみみたされることができます。

 青年の各組織と指導者の皆さん! 労働組合と婦人団体、社会文化及び宗教団体、著名な政治家、科学者、芸術家の皆さん! 私達は皆さんが青年にとってなくてはならない権利のための私達の闘いを支持されるよう望みます。われわれの力の基礎は団結にあります。この団結はこの会議の準備を通じていちじるしく強められ、そしてわれわれはそれをわれわれの勝利のための条件として、如何にして守り育て強めて行くべきかを知らされました。権利擁護と平和と民族独立のための行動において団結しよう! 新しい戦争の脅威に反対しよう! われわれの理想の実現のために強く団結して行こう! よりよい生活と平和のために前進しよう!

第三回世界青年大会

 世界民主青年連盟の第三回大会(四年に一回)は七月二五日−三〇日ブカレストにおいて開催され、一〇六ヵ国のさまざまな団体、組織の代表一五〇〇人の参加の下に、書記長ジヤック・ドニーの「第二回大会以後の世界民主青年連盟の活動と平和と権利を守る闘いにおける青年の任務」について報告があり、代表達は各々の政治的意見をこえて「平和と豊かな未来のために」全世界のすべての青年が団結しようと話し合った。なお日本からは日本民主青年団委員長栗原秀夫他、ウィーンの教員大会及びコペンハーゲンの婦人大会に出席した代表など一五名が参加した。

第四回世界青年学生平和友好祭

 八月二日−一六日ブカレストで一一一ヵ国から三万人の青年学生が参加して盛大に開催され、芸能コンクール、各種の展覧会、スポーツなどにより、あらゆる組織、あらゆる層の世界青年の交流とそれを通じて平和の増進に大きな成果を収めた。日本においては反戦権利擁護委員会が中心となってこれの参加を全国に呼びかけ、スポーツや文化代表の一〇〇〇名に上る参加者が決定され旅券獲得運動が強力に行われたが、政府の拒否によりその努力も空しくなり、結局、無着成恭を代表団長として「世界青年大会」の出席メンバー一五名が参加するに止まった。次に大会終了に際してなされた「誓」を掲げる。

 
親愛なる友よ

 私達、第四回世界青年学生平和友好祭の参加者は平和と友情の旗の下に集ってきました。幸福と明るさと希望にみちた私達の祭典は、どんな思想、どんな信条をもった青年でもすべて団結することが出来るということをはっきりと示しました。

 私達は心から平和を望んでいます。私達は平和と友情の勝利をまち望んでいます。平和と友情は、私達にとってよりよき生活を意味しているからです。
 私達は世界のすべての青年に呼びかけます。
 朝鮮の休戦がはっきりと示しているように、世界のどこでも武力に代って話し合いが成功を収めるよう。
 どこの国でも自国の問題を自分の手で処理し、信頼とお互の理解の上に立っ国際関係をうちたてるために、
 よりよき未来を求める若ものの希望を実現し、青年の正当の権利がどこでも尊重されるよう。
 青年相互の理解を深める文化とスポーツの交流を進めるために若々しい活動の中で団結することを。
 青年男女の皆さん
 よりよき未来をめざす希望を実現するために団結しよう!
 全青界の青年の皆さん前進しよう!

日本労働年鑑 第27集 1955年版
発行 1954年11月5日
編著 法政大学大原社会問題研究所
発行所 時事通信社
2001年10月16日公開開始


■←前のページ 日本労働年鑑 1955年版(第27集)【目次】 次のページ→■
日本労働年鑑【総合案内】

法政大学大原社会問題研究所(http://oisr.org)