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日本労働年鑑 戦後特集(第22集)
The Labour Year Book of Japan post war special ed.

第四篇 無産政党運動

第一章 日本社会党


三 食糧危機の突破方策

 敗戦後の深刻な食糧危機に対処するため、社会党では二一年一月三一日常任執行委員会を開催し、

 一、供出もすでに半ばを過ぎた現在、人民管理その他の新方式を即時断行することなく、あくまで現在の機構を通し、これを改善することによつて供出、配給を行う。

 一、超階級的、超党派的協力による解決を目標とする。

という根本的方針の下に次のような危機突破方策を決定した。

 一、軍閥、官僚、資本家、地主の隠匿物資、死蔵物資を摘発、放出させる。(官の力による摘発を鞭撻するとゝもに、県連合会農民組会等も自主的にこれを行う)

 一、主要食糧の闇取引を禁止する。(県連、組合を通じ、その撤底を期する)

 一、輸入の促進(政府を督励する一方、マツクアーサー司令部の諒解を懇請する)

 一、主要食糧の供出促進策として次のことを実施する。

 (イ)供出割当制の合理化(農家の還元配給分は予め供出割当数量のうちには入れず、農家の飯米を確保した供出割当を行ふ)

 (ロ)生産者供出価格を石五百円に引上げる(現在は百五十円)

 (ハ)肥料の国営と増確配(肥料価格は十倍に引上げられ、しかも大した増産も望めぬのは、その生産を営利企業にまかせておくことに起因する)

 (ニ)農村必需物資の配給確保

 (ホ)小作料の引き下げ、金納制の即時断行

 (ヘ)耕作権の確立

 一、供出機構の改革

 (イ)農業会その他農村各種団体の徹底的民主化(役員改選その他)

 (ロ)農業会と農民組合との供出管理協議会を設置する。(供出管理は現在農業会だけが秘密に行つてゐる、こゝに闇の温床がある)

 一、配給機構の改革

 (イ)現存機構の徹底的民主化(食糧営団のうちに消費者の代表を入れる)

 (ロ)中央、地方に食糧配給協議会を設置する。(同協議会は政府各種団体、政党、農民組合、労働組合、協同組合等の代表者が構成し、配給の基本計画を立案して営団を指導監督する)

日本労働年鑑 第22集/戦後特集
発行 1949年8月15日
編著 大原社会問題研究所
発行所 第一出版
2000年2月1日公開開始


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