OISR.ORG へようこそ 大原社会問題研究所

日本労働年鑑 戦後特集(第22集)
The Labour Year Book of Japan post war special ed.

第二篇 労働組合

第三章 労働組合運動


第六節 示威運動(つづき)

12、復活第二回メーデー (第十八回・昭和二二年)

 敗戦後二度目の〃働くものの祝典〃第十八回メーデーは東京始め六大都市や全国各地に盛大に繰りひろげられた。東京における参加人員は約五十万名といわれ二一年のメーデーよりも多くの人々が参集した。まず八時五十分から土方与志氏総指揮の「メーデー祭」によつて始められ、自立劇団バンドによるメーデー歌のコーラス、石井漠舞踊団の新労働歌舞踊、日農の「八木節」、日映演の野外バレー等の多彩なもよおしを終えてのち、「インターナショナル」の合唱と共に、午前十時大会開会宣言が行われた。この日の司会者は土橋一吉氏(全逓)、副司会者は北川義行(総同盟)、加藤閲男(国鉄)、角田光政(私鉄)の三氏であつた。ついで代表演説にうつり聴濤克己(産別)花塚正吉(日労会議)鈴木市蔵(国鉄)参議員議員岩間正男(全教協)の諸氏がこもごも起つて労働戦線の統一を強調し、婦人代表渡邊のぶ氏が女性解放を絶叫して代表演説を終つた。つゞいて河野平次氏(都労連)が宣言を、安江義蔵氏(造船)が決議文を朗読して満場一致可決をみ、世界労連へのメツセージを採択して最後に友誼団体のあいさつに移つた。各代表の演説要旨左の通り。

 

西尾末広氏(社会党代表)メーデーはわれわれの一里塚だ、過去一年間を省みて、その正しきはさらに押し進め、過つた部分は勇敢に是正しなければならない。次の一里塚までわれわれは階級的利益を追究すると同時に日本再建の主体たる二重の責任を確信し、破壊よリも建設へ進む。

 徳田球一(共産党代表)われわれは社会党を中心とし、自由党を政権から追い、働くものの政治力を増大しなければならぬ。

 その他岡田宗司氏(日農代表)、朝鮮人連盟、文連、生活協組代表のあいさつがあつて、新労働歌の高唱のうちに大会を終つた。

 午後一時から城東、城北、城西、城南の四地区毎にデモ行進を行い、四時半までにはそれぞれ解散した。一方大会実行委員は首相官邸へ、大会決議を携えて会見を申し入れた。

 大会スローガン、宣言、決議及び世界労連へのメッセージは次の通りである。

スローガン

◇生活を保証する最低賃金制の確立

◇生産復興は働くものの手で

◇労働戦線の即時統一、世界労連の参加促進

◇ヤミとインフレの政権反対、民主政府の樹立

の四項を中心スローガンとし、このほか

◇首切絶対反対、資本家全額負担による失業保険法の制定◇封建的雇用制度反対、労働基準法の徹底◇遅配欠配の即時解消、配給物資の増量◇六・三制の完全実施と教育の民主化◇働くものへの悪税反対、大ヤミ利得の徴収◇賠償による労働者の犠牲絶対反対◇耕作権の確立◇海外同胞の引揚捉進、戦災者、引揚者に衣職住を与えよ

宣言(要旨)

 われわれは昨年大規模なメーデーを決行し、解放された日本労働者の民主主義に対する熱意を中外に表明した。そして民主政府樹立のために前進することを誓つた。しかしこの目標は未だ達成されず、深まりゆく経済危機とインフレの中に、われわれの苦闘は続いている。目標に向つて前進するには労働戦線を統一し、農民市民と提携して、働くものの力を一つに結集させなければならない。

 第十八回メーデーにあたつて、われわれ全日本の労働階級は高らかに宣言する。

   第十八回東京地方メーデー

◇生産費を償う米価の設定◇配給機構の民主化、生活協同組合に配給権と荷受権を与えよ◇プラーグ大会への代表派遣、世界労連及び各国労組代表来訪要請◇少年労働反対、働く青年、婦人に自由と文化を与えよ、ほか廿二項

世界労連ヘメツセージ

 世界労連加入各国労組御中 世界労連代表の日本来訪はわが国労組運動に大なる剌激を与えた。われらは労働戦線を急速にかつ強力に統一しもつて貴組合の友情に答えることを誓う。ここに代表派遣に対し厚く感謝すると共に、更に貴組合の代表を日本労組運動視察に派遣されんことを懇請する。世界の労働者団結万歳

日本労働年鑑 第22集/戦後特集
発行 1949年8月15日
編著 大原社会問題研究所
発行所 第一出版
2000年2月1日公開開始


■←前のページ  日本労働年鑑 戦後特集(第22集)【目次】  次のページ→■
日本労働年鑑【総合案内】

大原社会問題研究所(http://oisr.org)