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所蔵図書・資料の紹介

V  戦前の原資料


3 その他の原資料

 (1) 書簡・日記・書など

 これらは研究所の関係者が亡くなった後,遺族によって寄贈されたものが大半である。以下にその一部を列挙しておこう。

 (1) 高野岩三郎(初代所長)  1945年11月21日に発表され,大統領制を構想した「日本共和国憲法私案要綱」の原本手稿,日記(1918〜1940年)42冊,通信控3冊,第3回西遊の記4冊,講義ノートなどがある。書簡では浅沼稲次郎,杉山元治郎へ出したもの,受信したものでは浜口雄幸,麻生久よりのもの等がある。
 (2) 高野房太郎(岩三郎の兄で労働組合期成会の創立者の一人)  AFL会長ゴンパースより房太郎宛ての書簡,房太郎より岩三郎宛ての書簡,日記1冊,片山潜より高野母堂宛ての書簡,高野家要用簿がある。
 (3) 櫛田民蔵(所員)  日記9冊,櫛田より森戸辰男への書簡80通,河上肇より櫛田宛ての書簡200余通,河上肇が書いた『櫛田民蔵君に送れる書簡についての思い出』(1939年7月5日)などが主たるもので,櫛田書簡については故大島清教授が一応の整理をしている(大内兵衞・大島清編『河上肇より櫛田民蔵への手紙』1974年)。その他「『共産党宣言』の研究」の原稿(大内兵衞加筆),「マルクス地代史論ノート」「米穀生産費」「総罷業とトロッキーの著書」等の原稿も残されている。
 (4) 森戸辰男(所員)  原稿「ピーター・クロポトキンの死」がある。『経済学研究』に「クロポトキンの社会思想の研究」を発表して「森戸事件」を引き起こした本人のクロポトキン論の原稿である。
 (5) 大内兵衞(所員)  獄中手記「幽囚1年有半」,ノート3冊(日記,メモ?),「混沌の独逸より」「公債論」の原稿がある。
 (6) 賀川豊彦  自筆の日農創立大会宣言草稿と『土地と自由』の新聞紙発行届などがある。
 (7) 堺利彦と幸徳秋水  直筆の「『共産党宣言』訳稿」がある。かなり珍しいもので2種類ある。1つは堺利彦より直接購入したもの,もう1つは平井太吉郎が保存していたものを上条貞夫弁護士を通して寄贈されたものである。
 (8) 全三越労組  1953年の争議の際,「ぶどうぱん」という詩集を発行。その礼状をファイルした中に,赤木健介,荒正人,石母田正,井上清,許南麒,五所平之助,西条八十,徳永直,中野重治,深尾須摩子,袋一平,藤森成吉,堀田善衛,松田解子,水木洋子などの名前を見ることができる。
 (9) その他
 〈書簡類〉  戦前の無産政党・農民組合・労働組合の原資料の中から,安部磯雄,鈴木文治,行政長蔵,石田宥全,江田三郎,黒田寿男,佐々木更三,浅沼稲次郎,杉山元治郎,麻生久,猪俣津南雄,佐野学,三田村四郎等,当時の活動家のものが多数発見されており,現在整理中である。一部は電子化してあり,研究所のホームページ上でも見ることができる。また,山辺健太郎より中塚明宛ての書簡集もある。
 〈書〉  堺利彦より購入した幸徳秋水の書,河上肇より平井太吉郎宛の書簡を表装したもの,賀川豊彦が原田みよ女史のために書いた書,石井十次の掛軸,炭谷小梅の石井十次宛の書簡を表装したもの等がある。

(谷口朗子・遊座圭子)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より



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