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所蔵図書・資料の紹介

VI  戦後の原資料


2 組合旧蔵資料および裁判資料

 (1) 労働組合旧蔵資料

 a 東芝労連関係資料  1949年の企業整備反対闘争などを含む東芝労連関係資料は,元東芝労連事務局におられた石井弥二郎氏から寄贈されたもので,分量は6段3連に及ぶ。戦後初期,民間労働組合の中でも際立って戦闘性を発揮した東芝労連に関する資料は,当時の民間大企業における労働運動の実態研究には,きわめて重要な資料である。

 この資料の中心部分は,1948年3月1日の東芝労連結成以来,1951年8月26日の新旧労連統一大会に至るまでの旧東芝労連保有資料,および1945年12月,堀川町労組結成以来の各単組資料などである。その中には,たとえば機関紙『東芝労連印刷』が,N0.1(1948年2月28日)からN0.1504およびその続きであるN0.1の1からN0.8の82(1951年8月7日)までそろっているなど,これだけでも大変貴重である。同資料は,東大の山本潔教授らによって,閲覧可能なまで整理されている。なお詳しくは,山本潔「大原社研所蔵『東芝労連資料』について」(大原社研『資料室報』第212号),同「東芝労連印刷」(同『資料室報』第223号)を参照されたい。

 s 全造船三菱関係資料  全造船三菱関係資料は6段4連に及び,時期的にはほぼ55年頃から60年代末にわたっており,この時期の日本重工業における最重要企業の一つである三菱重工業の労使関係の変遷などを知る上での重要な資料である。この資料は,全造船三菱重工支部が所蔵していたものであり,支部発行資料,会社側資料,全造船や他組合の資料などからなる。この資料も,東大の山本潔教授らの手によって,閲覧可能なまで整理されている。その概要については,山本潔・上田修・橋元秀一らの執筆による「『全造船三菱資料』」について」(大原社研『研究資料月報』第296号),および「『全造船三菱資料』目録」(同『研究資料月報』第296〜297号)を参照されたい。

 d 国労関係資料  大原研究所が,1987年に国鉄労働組合から受贈した資料は,分量も段ボール箱で200箱以上という厖大なものである。その中には,『国鉄新聞』など本部や地方の機関紙誌,国鉄関係図書などがある。とくに1950年代以降の重要な国鉄争議関係の資料,各級レベルにおける裁判闘争関係の資料は,国鉄争議,権利闘争について知る上で,きわめて貴重なものである。たとえば,勤務時間中の入浴慣行をめぐる「国電田町駅裸連行事件」や「ILO 87号条約批准闘争」関係資料,「三河島事件」の裁判資料,国労弁護団会議資料などが,その一例である。なお,その後も数回にわたり,資料を受贈している。

 f 日本フィル争議資料  日本フィルハーモニー交響楽団の争議(いわゆる「日本フィル争議」)は,音楽関係における長期でユニークな争議として知られ,今崎暁巳『友よ未来をうたえ』(正続2冊,1975,77年)という本や「炎の第五楽章」という日活映画にまでなった。この「日本フィル争議」関係の資料が同事務局をつうじ,1988年に大原研究所に寄贈され,1989年にも追加資料が寄贈された。団交記録,裁判関係資料,争議支援関係の資料が中心である。これによって,日本フイル争議の全体像を知ることができる。

 g その他  組合否認,役員解雇撤回闘争として闘われたエスエス製薬争議関係資料(なお同争議については,争議記録としてエスエス製薬闘争支援共闘会議『エスエス争議団物語』がある),東京交通労組資料などがあるが,閲覧可能にまでは至っていない。この他,全国金属や炭労より受贈した資料,すなわち三井三池炭鉱争議,炭労の政策転換闘争に関連する資料や,近江絹糸争議に関する資料など多くの組合からの資料もある。

(早川征一郎)

『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より


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