OISR.ORG へようこそ 法政大学大原社会問題研究所

大原社会問題研究所五十年史

V 戦後


高野先生追憶会

 一九五一年四月五日午後五時、前所長高野岩三郎博士をしのぶ追憶会が、法大新館第二会議室において開かれた。高野カロリナ夫人、長男高野一郎、女婿宇野弘蔵氏ら遺族の方々、長谷川万次郎、大内兵衛、暉峻義等氏ら門下生、大学理事者等二十数名が参集し、春宵の一刻を和やかな追憶談に過した。当日の追憶会の模様を伝えた法政大学経済学会機関誌『経済志林』(第一九巻第二号)の「高野岩三郎先生追憶会の記」によって、大内総長の挨拶の大要を次に記しておきたい。

 「本日は折悪しく当研究所の久留間所長が病気のため欠席いたしたので、私が代って御挨拶申上げます。大原研究所は……本年三月財団法人として独立し、役員もきまり久留間所長の下にスタッフも漸次充実して事業を行いつつある。法政大学にひきつがれたのちも、大原研究所の伝統ないし根本精神と事業は従前と全く変ることなく、久留間所長に体現された高野先生の御遺志にもとづき、労働運動、社会運動の資料の集収、社会問題の理論的研究やその発表などをおこなってゆくものである。昨年末には『日本労働年鑑』第二三集も発行された。
 法政大学は財政上十分な援助をなし得ないことはまことに遺憾であるが、出来るかぎりのことはして、あの輝しい大原研究所を再現したいと思っている。……皆様の御協力をお願いする次第である。」

 このあと、長谷川如是閑、栗田確也、河野密、野上弥生子、北沢新次郎諸氏の談話があり、九時散会した。当日の出席者氏名は次の通りである。

 高野カロリナ、高野一郎、長谷川万次郎、野上弥生子、大内兵衛、上野道輔、北沢新次郎、舞出長五郎、暉峻義等、宇野弘蔵、三宅晴輝、三輪寿壮、河野密、松田泰二郎、鈴木鴻一郎、亀島泰治、黒田俊平、松川七郎、岡野澄、栗田確也、永田周作、錦織理一郎、友岡久雄、中野勝義、宇佐美誠次郎、大島清

 一九五一年度に刊行された出版物は、年鑑第二四集と前記「大原社会問題研究所シリーズ」であった。また本年度の収支決算額は三六三万三、六九三円六〇銭であった。ちなみに同年の研究所資産総額は、基本財産五〇万円、普通財産(主として図書資料類)一、二九四万四、八五二円、計一、三四四万四、八五二円である。

 一九五二年度においても、主要な事業−すなわち年鑑編集、図書資料の集収整理、調査研究のほか、経済学辞典および研究所三十年史の編集等がひきつづきおこなわれた。四月五日には恒例の高野岩三郎先生追憶会が関係者をあつめて開かれ、故人の想い出を語るなごやかな会合となった。久留間所長はじめ、大内兵衛、森戸辰男、細川嘉六、長谷川如是閑、三宅晴輝氏ら旧研究員あるいは嘱託研究員のほか、河上丈太郎、西尾末広、野坂参三、河野密氏ら労働運動家、さらに法政大学理事者などが参会した。

 この年、研究員の富塚良三氏が退職して福島大学に転じ、林春子さんも退職した。

法政大学大原社会問題研究所五十年史
発行 1970年11月
編・発行法政大学大原社会問題研究所



前のページ← 法政大学大原社会問題研究所五十年史【目次】 →次のページ

研究活動・刊行物 OISR.ORG全文検索

法政大学大原社会問題研究所(http://oisr.org)