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大原社会問題研究所五十年史

IV 東京移転より終戦まで〔一九三七〜四五年〕


「統計学古典選集」の刊行

 一九四〇年 昭和一五年 一九三九(昭和一三)年の夏ころから、統計学の古典的文献を翻訳して出版する計画が、高野氏を中心として進められてきたが、四〇年一月二五日、栗田書店の永田周作氏が高野氏を訪ね、その実現について種々相談した。高野氏は所員と古典選集刊行のプランを練り、翌月二三日来訪した永田氏にその具体案を示し、その後出版の条件等について協議した。こうして三月二六日、研究所と栗田書店間に「統計学古典選集」出版契約書が取りかわされた。

 六月六日、高野氏は胆石病再発のためそれ以後約四ヵ月療養生活を余儀なくされた。一〇月八日、病気快癒して出所した高野氏をまじえて委員会が開かれ、選集は全一二巻一九冊として刊行することに決定した。

 この選集は一九四一(昭昭一六)年に四巻、四二年に四巻、四三年に二巻と、着々刊行され、終戦までに一一巻を出した。部数は平均して二、○○○部である。うち第七巻ワーグナー著権田保之助訳『一見恣意的に見える人間の行為に於ける合法則性』は、翻訳完成後、一九四四年暮の空襲によって組版を焼かれ、ついに発行されなかった。またズュースミルヒ著高野・森戸訳『神の秩序』は戦後、第一出版杜(栗田書店ほか数杜が戦時中統合してつくられた出版社)より刊行された。「統計学古典選集」が、戦時中の困難な事情の中で刊行され、わが国社会科学の研究に大きな貢献をなしたことは、あらためてのべるまでもない。

法政大学大原社会問題研究所五十年史
発行 1970年11月
編・発行法政大学大原社会問題研究所



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